受け口じゃないのにしゃくれる理由は?その原因やリスク、治療法を解説

大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。医療現場で予防の重要性や予防に取り組んでもらうことの難しさを痛感。美容という切り口で本質的な予防につなげる入口として、口腔という臓器に興味を持つ。口腔環境が多くの臓器に影響を及ぼし、多くの病気に繋がってしまうというポイントから予防について新聞・テレビ・WEBメディア等で情報を発信している。
 

「受け口じゃないのになんだかしゃくれている気がする」
「自分は受け口なのかしゃくれてるのかわからない」
そんな悩みを持った人がいます。
この記事では、受け口やしゃくれについて知りたい方に向けて、定義や原因、リスク、治療法について解説します。

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1. 受け口じゃないのにしゃくれる場合がある

受け口としゃくれは見た目がよく似ており、どちらも「下顎が出ている」ようにみえますしかし、受け口としゃくれは別の症状であり、原因も異なります。

「受け口ではないのにしゃくれている人」もいるのです。それぞれの症状や原因の違いについては以下で詳しく解説します。

2.受け口としゃくれの違い

結論から言うと、受け口は「歯」の問題によって生じており、しゃくれは「顎の骨」の問題によって生じます。

それぞれの問題の概要は以下の表のとおりです。詳しい解説については以下で行います。

症状の名前 概要と症状
受け口 ・下の歯が上の歯よりも前に出ている噛み合わせを指す
・反対咬合とも呼ばれる
しゃくれ ・下の顎が出ている、顎が長いなどの輪郭を指す
・下の歯が上の歯より出ていないこともある

(1)受け口とは

受け口とは、下の歯が上の歯よりも前に出ている噛み合わせのことです

通常の噛み合わせは、上の歯が下の歯より少し前に出ているものです。しかし、受け口の場合は、その逆に下の歯の方が前に出ています。

前に出ている上下の歯が通常の歯並びと逆になっているため、受け口は反対咬合とも呼ばれます。受け口の人は下の歯が前に出ているので、しゃくれている人の輪郭(下の顎の骨が前に出た輪郭)に似ています。

(2)しゃくれとは

しゃくれとは、下の顎が上の顎より前に出た顔の輪郭のことです

受け口は歯並びの問題ですが、しゃくれは骨格の問題です。しゃくれている人の中には、下顎の骨は前に出ていても下の歯まで前に出ていない(=受け口ではない)ケースもあります。

3.受け口としゃくれの原因

それでは、受け口としゃくれの原因としてはどのようなものが挙げられるのでしょうか。

(1)受け口の原因

受け口の主な原因は、遺伝や骨の発育、習慣などです

たとえば、上の顎よりも下の顎が大きく成長したり、上の顎の成長が充分でなかったりした場合、受け口になることがあります。

また、乳歯から永久歯への生え変わりがスムーズでなかった場合など、永久歯の生え方によって受け口になることもあります。そのほか、無意識にしてしまう癖などの習慣によって受け口になるケースもあります。

受け口の原因となる習慣としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ゆびしゃぶり
  • 頬杖
  • 噛むときに顎を突き出す
  • 下で下顎の前歯を押し出すなど

(2)しゃくれの原因

一方、しゃくれの原因は主に骨格の遺伝です両親、もしくはどちらかの親がしゃくれの場合、その子どもはしゃくれとなる確率が高まります。

しゃくれは遺伝した骨格の問題以外にも、口呼吸などの習慣によって生じる場合もあります

口呼吸をする際は、舌が下顎についた状態となるため、気道が狭まります。そして、狭まった気道でも息をしやすくするため、下顎を突き出した形で呼吸をする癖がついてしまうことがあるのです。

顎が成長しきる前に口呼吸が習慣化すると、顎の骨や筋肉も口呼吸に適した形になり、下顎が突き出した骨格(=しゃくれ)が形成されてしまいます。

このように、主に骨格の遺伝の問題で生じるしゃくれですが、口呼吸などの習慣が原因となって生じるケースもあります。

4.受け口やしゃくれによって生じるリスク

受け口やしゃくれは、放置していると見た目以外のリスクが生じることもあります。

以下では、2つの代表的なリスクについて詳しく説明します。

(1)肩こりや頭痛

受け口やしゃくれを放置すると、肩こりや頭痛といった不調を引き起こすことがあります。その主な原因としては、顎周辺の筋肉の緊張が挙げられます。

受け口やしゃくれの人は、しばしば嚙み合わせに問題が生じており、そのズレた嚙み合わせを補うように顎周辺の筋肉(咀嚼筋)を動かすため、筋肉の不自然な緊張が生じるのです。

実は、顎周辺の筋肉は肩と関係が深いため、こうした緊張状態が肩こりにつながるのです。

そのうえ、緊張した筋肉はそこを流れる血管を圧迫して神経に影響を及ぼすため、頭痛を引き起こす恐れもあります

(2)顎関節症になる

受け口やしゃくれによって噛み合わせに問題が生じている場合、顎関節症のリスクが生じます

顎関節症とは、口を大きく開けづらくなったり、開けようとすると痛みを感じたり、口の開け閉めで顎関節に音がしたりする病気のことです。

顎関節症の原因としては、さまざまな要因がタイミングよく重なって生じる「多因子病因説」が有力であり、その要因のひとつとして「噛み合わせの悪さ」も挙げられています

受け口やしゃくれで噛み合わせが悪い状態が続けば、顎に大きな負担がかかります。その結果、顎関節症となり、顎を開きづらくなったり痛みが生じたりするのです。

5.受け口の治療法

受け口を治療するには、複数の方法があります。以下では、表側矯正・裏側矯正・マウスピース矯正という3つの治療方法について解説します。

(1)表側矯正

1つ目に紹介する受け口の治療方法は、表側矯正です。

表側矯正とは、歯の表側にブラケットと呼ばれる装置をとりつけ、ブラケットに接続したワイヤーの力によって歯を動かす矯正方法です。

表側矯正の値段の相場は80~150万円(部分矯正の場合は40~70万円)で、治療期間の目安は2年程度です。

他の治療方法と比べた場合のメリット・デメリットは以下の表のとおりです。

受け口じゃないのにしゃくれる理由は?原因やリスク、治療法を解説

表側矯正は「矯正の見た目が気にならない人」や「歯を大きく動かす必要がある歯並びの人」におすすめです。

(2)裏側矯正

2つ目に紹介する受け口の治療方法は、裏側矯正です。

裏側矯正もまた、表側矯正と同様、ワイヤーの力によって歯を動かす矯正治療ですが、ブラケット・ワイヤーを歯の裏側につける治療法になります。

裏側矯正の値段の相場は100~170万円(部分矯正の場合は40~70万円)で、その治療期間の目安は3年程度です。

他の方法と比較した際の裏側矯正のメリット・デメリットとしては以下のものが挙げられます。

受け口じゃないのにしゃくれる理由は?原因やリスク、治療法を解説

裏側矯正は、表側矯正と同じく、歯を大きく動かす必要がある歯並びに向いているワイヤー矯正の一種です。表側矯正と違って「矯正中の見た目が気になる人」に向いています

参考記事:ワイヤー矯正とは?種類や素材、費用、他治療との比較について解説

(3)マウスピース矯正

3つ目に紹介する受け口の治療方法は、マウスピース矯正です。

マウスピース矯正とは、透明なマウスピース型の矯正装置を使って歯に力を加えて段階的に歯を動かす矯正方法です。

マウスピース矯正の費用の相場は60~130万円程度(部分矯正の場合は30~60万円)で、その期間の目安は1年~2年です(部分矯正の場合は半年以内に治療が終わるケースもあります)

マウスピース矯正のメリット・デメリットは以下の通りです。

受け口じゃないのにしゃくれる理由は?原因やリスク、治療法を解説

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と違って抜歯を伴う治療など「歯を大きく動かす矯正」に向いていないといわれています。

いっぽうで、「安く矯正を行いたい人」「短い期間で矯正を行いたい人」に向いた治療法だといえます。

参考記事:マウスピース矯正とは?効果やメリット、ワイヤー矯正との違いを解説

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(4)その他の治療法

その他にも、さまざまな受け口の治療方法があります。

①外科矯正

その他の治療方法のひとつとして外科矯正が挙げられます。外科矯正とは、顎の骨を削るなどの外科的な手術を行い、主に噛み合わせを改善する治療方法です。

外科矯正では、ワイヤー矯正(表側矯正・裏側矯正)やマウスピース矯正によって治療できない「骨格性の問題」に起因する歯並びを改善することができます

なお、外科矯正が必要になる歯並びには正式な病名がついているケースが多く、そうしたケースでは保険が適用されます。

②子供の受け口の場合の治療法

また、子供の受け口の場合は、上記で紹介した治療法とは異なる方法がとられます。

例えば、抜歯を行うとともに臼歯が前に移動するのを防ぐ「リンガルアプローチ」による治療や、唇の圧力を抑える「リップバンパー」などが挙げられます。

大人の矯正では原因となる骨格の問題を改善することは難しいですが、子どもの矯正では骨格の問題を改善できる可能性があります。

特に1期治療期(6~12歳ごろ)では、骨の成長の仕方をコントロールしたり、歯並びを悪化させる習慣を改善する目的の治療方法がとられるため、将来的な受け口の症状を未然に防ぐことができます。

【参考記事】

子供の矯正費用の相場は?種類別やステップ別に解説|よくある疑問も

6.しゃくれの治療法

上述したとおり、しゃくれは骨格に原因があります。そのため、ワイヤー矯正マウスピース矯正では治療ができず、外科的な治療が必要になります。

具体的には「下顎骨切り術(下顎枝矢状分割術)」という方法があります。下顎枝矢状分割術では、下顎の骨を分割して移動させ、突き出た顎をひっこめることができます。

また、「下顎前方歯槽部骨切り術(下顎セットバック術)」という方法もあります。下顎セットバック術では、下顎の左右の歯を1本ずつ抜歯を行い、顎の骨を切除してスペースを作ります。そして、下顎前方の顎の骨を後ろ、もしくは垂直方向に移動(セットバック)させます。

7.受け口やしゃくれを自分で治すのは危険

インターネット等で「受け口やしゃくれを自分で治せる」という情報を見聞きしたことがある方も多いかもしれません。しかし、受け口やしゃくれを自分で治療するのは非常に危険です。

不確かな情報に躍らされて自己流の治療をしてしまうと、歯や顎の骨に深刻なダメージを負う可能性もあります受け口やしゃくれの治療は、必ず専門知識のある医師のもとで行いましょう

8.受け口の矯正治療ならマウスピース矯正のhanaravi(ハナラビ)

マウスピースを持った女性の写真。マウスピース矯正ハナラビは矯正を失敗したくないあなたのためのサービスです。

マウスピース矯正のhanaravi(ハナラビ)なら、受け口の矯正を行うことができます。hanaraviでは、ワイヤー矯正(表側矯正・裏側矯正)にも詳しい専門の歯科医師が治療を行うため、「自分にどんな治療方法が向いているのかわからない……」という人でも、安心して矯正を受けることができます。症例に応じて、マウスピース矯正に限らず、ワイヤーでの矯正も対応可能です。無料相談も行っているので、「自分の歯並びをどれぐらいの値段・期間で治療できるのか知りたい」という人はぜひ、一度ご相談ください

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