歯科矯正を検討している人にとって、一番気になるのは費用面でしょう。
クリニックやサービスによって値段もまちまちなため、「どうしてこの値段なの?」と悩んでしまう人も多いかと思います。
この記事では、大人の歯科矯正の費用面について、実際の治療例なども挙げながらご紹介していきたいと思います。
【記事内容の早見表】
目次
1.歯科矯正の費用が「わかりにくい」理由

大人の矯正治療全体の費用相場は、10万円〜150万円前後と、大きく幅があります。
この理由は、歯科矯正の多くが保険の適用されない「自由診療(保険外診療)」だからです。
先天的な病気の治療など、医療目的で歯科矯正をする場合を除き、矯正費用は全額自己負担となります(参照:保険診療の理解のために【歯科】(令和4年度) p.21|厚生労働省)。
さらに、国によって値段が明確に決めれられていないため、
- 矯正する歯並びの程度
- 噛み合わせ治療まで行うか否か
- どんな矯正器具を使用するか
- 治療期間はどのくらいか
といった様々な要素や、担当するクリニックによって費用が大きく変わります。
そのため、歯の状態や矯正方法ごとの大まかな相場を知っておくことが大切です。
2.矯正治療方法ごとの費用相場まとめ

歯科矯正には様々な方法があり、どの方法を選ぶかによって費用感が変わります。
- 表側矯正(ワイヤー矯正)
- 裏側矯正(舌側矯正・リンガル矯正)
- ハーフリンガル矯正
- 部分矯正
- セラミック矯正
- マウスピース矯正
中でも近年増えているマウスピース矯正は、透明の器具を使用するため目立ちにくく、患者さんの歯一本一本をスキャンしてオーダーメイドの矯正器具を作ることから、部分矯正などにも柔軟に対応できるため人気が高まっています。
マウスピース矯正のhanaravi(ハナラビ)についてくわしく見る
ここでは、それぞれの方法別の費用感や特徴について解説していきます。
(1)表側矯正(ワイヤー矯正):70万円~100万円
歯の表側に「ブラケット」と呼ばれる矯正器具を装着し、そこにワイヤーを通して歯に圧力をかけ、歯を移動させる矯正方法です。
歯並びの矯正や噛み合わせの治療などに利用される、もっとも一般的な方法です。
ブラケットの素材としては金属製のものが一般的ですが、最近では目立ちにくい白や透明のブラケットやワイヤーもあります。
費用相場は70万円〜100万円程度で、歯科矯正の中では比較的安く治療できます。
(2)裏側矯正(舌側矯正・リンガル矯正):100万円〜150万円
表側矯正とは逆に、歯の裏側にブラケットを取り付け、ワイヤーを通す矯正方法です。
ブラケットが目立ってしまう表側矯正に抵抗感がある方に人気のある矯正方法です。
歯の裏側に器具を装着するため目立ちにくい点がメリットですが、一方で歯の裏側に器具をつけるには技術が必要となり、歯科医院によっては対応できない場合もあります。
また費用もやや高額となり、100万円〜150万円と、表側矯正に比べて1.5倍ほどになります。
一方で、前歯だけといった一部分だけで裏側矯正をするのであれば、全体を行うよりも費用を抑えることができます。
(3)ハーフリンガル矯正:80万円〜130万円
目立ちやすい上あご側の歯だけ裏側矯正を行い、下あご側は通常の表側矯正を行う方法です。
見た目を意識しつつ、全体を裏側矯正するよりも費用をおさえることができる点がメリットです。
ただし、全体の矯正のバランスを見つつ、上あご側と下あご側に異なる器具を付けて矯正を進めていくことになるため、きちんと対応できる技術を経験をもった歯科医師に相談する必要があります。
(4)部分矯正:35万円〜60万円
前歯だけ、気になる一部だけといった、一部の歯並びのみを矯正する方法です。
最小限の矯正ですむため、費用も期間も大幅におさえることができます。
ただ、矯正治療にあたっては、動かしたい歯だけを動かせばよいというものではありません。
動かす歯の周囲にある歯との間隔や噛み合わせなど、歯全体のバランスを考えて行う必要があります。
そのため、歯並びの状態によっては広い範囲の歯を動かす必要があったり、一部の歯だけを動かした結果、噛み合わせがおかしくなってしまうというケースもあります。
費用が安いからと安易に部分矯正を行うのではなく、きちんと信頼できる医師と相談したうえで行いましょう。
(5)マウスピース矯正:30万円~120万円
透明なマウスピースを装着する矯正方法で、近年、目立たない矯正方法して人気が高まっています。
また、歯の状態に合わせたオーダーメイドの器具を制作するため、ひとりひとりのお口の状態に細かく対応できる点や、食事や歯磨きの際に器具を取り外すことが可能な点も大きなメリットです。
一方、器具の取り外しができてしまうため、矯正の効果を得るためには、患者さん自身の自己管理が重要となります。
現在、マウスピース矯正には様々なブランドがあり、費用体系や相場もまちまち。
矯正内容と費用感をよく見たうえで、検討を進めることが大切です。
無料相談やLINEでの情報発信を行っているサービスも多いため、まずは相談するところから始めるとよいでしょう。
3.歯科矯正の流れごとにかかる費用まとめ

歯科矯正の値段を手法別に紹介してきましたが、次は歯科矯正治療の流れに沿って、費用感を紹介していきたいと思います。
歯科矯正では、以下の表のとおり、矯正前・矯正中・矯正後にそれぞれ費用がかかっています。
矯正前にかかる費用 |
矯正中にかかる費用 |
矯正完了後にかかる費用 |
|
・矯正装置の費用(30万円~150万円) |
・リテーナーの費用(30,000円~60,000円) |
矯正のイメージがつきやすいよう、それぞれのタイミングでどの程度の費用がかかるのか、解説していきます。
(1)矯正前にかかる費用 初診からカウンセリングまで
①精密検査費:0円~30,000円
歯科矯正では、まずはじめに精密検査を受けます。矯正治療を始める前にカウンセリングを受け、歯並びや噛み合わせについて担当の歯科医師に相談します。
抜歯が必要になるか、治療にかかる費用や期間は全体でどのくらいになるかなどの説明を聞きます。
カウンセリングを受け、歯科治療が始まったらまずは顔の骨格の写真やレントゲンを撮るなどして口内の状態を詳しく調べます。
②虫歯/歯周病の治療費ないし抜歯費用:2,000円~30,000円
検査の結果、虫歯が見つかれば虫歯治療が優先され、治療後に矯正治療に移ります。
この時の虫歯治療は保険適用になりますが、矯正治療のための抜歯は保険適用外なので自費になります。
虫歯治療を終わらせてからでないと矯正治療に移れないため、歯科矯正が始まるまでに時間がかかってしまうケースもあります。
(2)矯正中にかかる費用 歯を動かす期間
①矯正装置の費用:30万円~150万円
虫歯治療などが完了したら矯正装置を歯に取り付け、歯磨きの仕方や口内ケアの方法など説明を受けます。
上述したとおり、矯正装置の種類によって費用が異なります。
- 表側矯正(ワイヤー矯正):70万円~100万円
- 裏側矯正(舌側矯正・リンガル矯正):100万円〜150万円
- ハーフリンガル矯正:80万円〜130万円
- 部分矯正:35万円〜60万円
- マウスピース矯正:30万円~120万円
矯正費用は高額になることが多いですが、デンタルローンなどを活用して支払うことも可能です。
歯科医院によって異なりますので、カウンセリング時に支払い方法についても説明を受けることをお勧めします。
②装着後の通院費用:3,000円~5,000円/回
矯正装置をつけてからワイヤー矯正の場合は1ヶ月に1回ほど、マウスピース矯正の場合は2〜3ヶ月に1回ほどの通院が必要です。
ワイヤー矯正では毎回ワイヤーの調整を行うので、調整費用がかかります。
通院にかかる費用は矯正装置の費用に比べると安く感じるかもしれませんが、長期になることが多い歯科矯正において通院費の金額もかさみますので、しっかり確認しておきましょう。
(3)矯正後にかかる費用
①リテーナー費用:30,000円~60,000円
矯正治療が終わったあとも、歯の位置を固定するための「保定期間」があり、リテーナーの装着が必要です。
保定期間では、「リテーナー」という器具を装着して歯の位置を固定する必要があります。
②リテーナー装着後の保定観察費用:3,000円~4,000円/回
リテーナーの装着後、3カ月~半年に1回ほどの通院が必要です。
リテーナーの装着後も、定期的に歯の位置が固定されているかどうかを確認する必要があります。ここで自己判断でリテーナーを外してしまったりすると、歯が元に戻ってしまうリスクがあるため、歯科医師からOKが出るまでしっかり装着を続けましょう。
以上が、治療ステップごとの費用感の目安となります。
4.最初に全額?都度払い?クリニックによる支払いシステムの違い
こうした治療全体の費用を支払うシステムには、大きく分けて「トータルフィー制(総額制)」「処置別払い制」の2種類があります。
(1)トータルフィー制 治療全体の費用を一括で払う
治療開始前の診断で治療計画を費用総額を見積もって支払いを行うパターンです。トータルフィー制とも呼ばれます。
例えば、トータルフィー制を採用しているhanaraviの場合、3つの料金プランが用意されており、それぞれのプランごとに総額が決まっています。
- Basicプラン(軽度の矯正) 月々1.65万円/24回 または一括払いで33万円
- Mediumプラン(軽~中程度の矯正) 月々3.3万円/18回 または一括払いで49.5万円
- Proプラン(中度以上の矯正) 月々3.3万円/24回 または一括払いで66万円
治療前に全体の費用感を出すので、見積もり以上の追加費用がかからない点が安心です。
いっぽう、クリニックによってトータルフィーの範囲が異なるので、注意が必要です。
リテーナーの価格や、追加治療がトータルフィーに含まれない、治療の途中までの費用しか含まれていない等のケースもあります。
ゴールイメージと合わせて「どこまでがフィーに含まれるのか」という点についてしっかり確認するようにしましょう。
(2)処置別支払い 通院や処置ごとに費用を支払う
全体の計画を立てるところは共通ですが、最初に全体の費用を出すのではなく、処置ごとに支払いをするパターンです。
上述した矯正前・矯正中・矯正後にかかる費用をその都度支払うので、総額がわかりにくい点がデメリットです。
モデルケースとしては、以下のような事例が挙げられます。
矯正前にかかる費用 |
矯正中にかかる費用 |
矯正完了後にかかる費用 |
|
・矯正装置料:800,000円 ⇒合計金額920,000円 |
・保定装置料:66,000円 ⇒合計金額106,000円 |
このモデルケースの場合、矯正装置の費用は800,000円ですが、矯正前と矯正後の費用を合わせた総額としては1,071,000円となります。
処置別支払いは、「途中で辞めやすい」「治療期間が短くなれば安く済む」といったメリットもありますが、「予想以上に料金がかかってしまった」という状況にもなりかねないので、注意が必要です。
5.実際にhanaraviで矯正した人の費用例まとめ
実際に、hanaraviで治療を受けた人のモデルケースをご紹介します。
※費用はすべて税別です。
※治療の効果や期間には個人差があります。
(1)すきっ歯の治療例(30万円)
上あご側の前歯が大きく開いている状態を治療した例です。
治療期間は6カ月ほどで、総額は30万円(税別)でした。
(2)ガタガタな歯並びの治療(35万円)
歯並びがガタガタになっている状態の治療を行った例です。
治療期間は約7カ月で、費用総額は35万円(税別)でした。
(3)出っ歯の治療例(30万円)
上あご側の前歯2本が飛び出ていたのを治療した例です。
治療期間は約6カ月で、費用は30万円でした。
6.矯正費用が返ってくる?医療費控除について

高額になることが多い歯科矯正治療ですが、治療の目的によっては医療費控除の対象になる可能性があります。
(1)医療費控除とは?
医療費控除とは1年間に支払った医療費が一定の金額を超える場合に、支払った医療費に基づき計算された金額が所得控除を受けられる制度です。
病気などで病院にかかった場合は、治療費や検査費だけでなく、公共交通機関を使った通院費用なども医療費控除に含まれます。
課税所得が少なくなり、支払う税金が減ったり、支払った税金の一部が還付されることがあります。
(2)医療費控除の対象になるケース
成人した後の歯科矯正では、以下のような機能回復が必要なケースだと医療費控除になる可能性があります。
-
食べ物をうまく噛めないなど噛み合わせに問題があり、咀嚼機能の改善が必要なケース
-
歯並びの問題によって滑舌が悪く、発音機能の改善が必要なケース
このように、機能面に問題があるケースでは、医療費控除の対象になる可能性が高くなります。
逆に言うと、美容目的(審美性の問題を解決する目的)の歯列矯正などは対象にならないということです。
基本的には、医師からの診断書があれば医療費控除の対象になります。自分の矯正治療が医療費控除の対象になるか気になる人は歯科医院で相談してみましょう。
なお、子どもの歯科矯正治療であれば成長のために必要な治療とみなされるので、医療費控除の対象になります。
7.その他の歯科矯正に関するよくある質問
Q.歯の矯正には何年かかりますか?
A.歯列矯正にかかる期間目安は、部分矯正の場合6~10ヶ月、全部矯正の場合は1年半程度です。
実際にどのくらい期間が必要なのかは、歯を動かす距離によって変わります。 距離が短ければ早く治療が終わりますし、距離が長ければその分時間がかかります。
Q.歯の矯正はなぜ多くの費用がかかるのですか?
A.矯正歯科で使われているワイヤーやブラケット、マウスピースなどは特殊な素材でかつ緻密に作られています。
また、施術を行うのは普通の歯科医師ではなく矯正治療に特化した専門の歯科医師であるため、
材料費や技術料の高さが矯正治療の高額な理由につながっています。
Q.歯並びが悪くなってしまう理由はなぜですか?
A.先天的な理由と後天的な理由があると言われています。先天的な理由は親からの遺伝がほとんどを占めます。
後天的な理由としては、口・あご周りの筋肉(舌・唇・頬)のバランスが悪かったり、
口呼吸によって舌が正しい位置にない事で、あごの成長が悪くなり、
歯並びが乱れてくると考えられています。その他にも幼少期のころの癖で爪を噛んだり指しゃぶり等が原因で歯並びが悪くなったりもします。
Q.歯科矯正後に歯並びが戻ってしまう事はありますか?
A.きちんと保定装置(リテーナー)を装着していれば、大きな後戻りが起こることはありません。
治療が終わった安心感からリテーナーをさぼってしまう方が多くいらっしゃいますが、
きれいになった歯並びを安定・維持させるためにも必ず装着してください。
まとめ:なるべく多くのサービスに相談し、自分にあった矯正を
歯科矯正の値段を、手法や流れといったポイントごとに解説しました。
歯科矯正をはじめるにあたり、どうしても値段は気になってしまうものです。
ただ一方で、重要になるのは矯正治療の質です。安いからといって自分の歯の状態に合わない治療を選んでしまうと、あとあと様々なトラブルにつながります。
まずは複数のサービス・歯科医師に相談して、自分の状態にあった矯正方法を選ぶことから始めましょう。
マウスピース矯正のhanaravi(ハナラビ)では、月々4,700円という、利用しやすい価格でマウスピース矯正を始めることができます。
その他のhanaraviの特徴
- 「定額制」で余計な費用負担ナシ
- 「経験豊富な歯科医師」が担当するため、失敗も少ない
- 「矯正後のイメージを見て契約」で、予定通りの矯正を実現
- 「マウスピース矯正」で痛みも少なく、見た目も気にならない
- 「リテーナー1回無料」でアフターケアも万全
- 「LINEサポート」で通院不要
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