インビザラインのゴムかけ(顎間ゴム)とは?役割や方法について解説

大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。医療現場で予防の重要性や予防に取り組んでもらうことの難しさを痛感。美容という切り口で本質的な予防につなげる入口として、口腔という臓器に興味を持つ。口腔環境が多くの臓器に影響を及ぼし、多くの病気に繋がってしまうというポイントから予防について新聞・テレビ・WEBメディア等で情報を発信している。
 

マウスピース矯正のインビザラインは、ワイヤー矯正とは異なり自分の歯型で作ったマウスピースをはめることで、歯並びを矯正していく治療方法です。透明で着脱が可能なので、ワイヤー矯正よりも日常生活に支障が少なく、人気の矯正方法です。このインビザライン治療にはゴムかけ(顎間ゴム)という大切な装置があります。ゴムかけの役割や使い方を紹介します。

インビザラインの特徴

インビザラインは、マウスピース矯正の一つです。1999年からアメリカで使用されるようになった治療法で、世界中の100ヶ国以上700万人以上の人が治療を受けています。実績のある治療法で、前歯だけでなく奥歯を動かすことができ、幅広い歯並びの治療ができます。

治療期間は、従来のワイヤー矯正とほぼ同じか少し長くなるケースもあります。マウスピース矯正は、生活に支障が少なく歯並びを矯正できることから近年人気のある治療法です。

透明で目立たない

インビザラインで装着するマウスピースは透明です。装着していることが周囲の人にわかりにくく、目立ちません。従来のワイヤー矯正の場合、歯の表側にブラケットという装置とワイヤーを固定して矯正治療を行うため、口を開けると矯正装置が見えてしまっていました。

そのため、治療期間中の見た目の印象が変わってしまうので、サービス業や第一印象が大切な営業職などの仕事の人はなかなか矯正治療に踏み出せませんでした。また、矯正装置をつけることが精神的な負担となり歯列矯正をためらったり諦めたりする人も少なくありませんでした。

インビザラインなら歯に透明なマウスピースを被せるだけなので、ブラケットもワイヤーもなく、見た目の印象をほとんど変えずに歯列矯正ができます。

着脱できる

ワイヤー矯正は、一度装着すると治療終了後まで取り外しができませんが、インビザラインで使用するマウスピースは食事や歯磨きなどで着脱ができます。矯正前と同じように、自分の歯で食事を楽しめます。また、歯磨きも外して行えるので歯の裏側や歯と歯の間もしっかり磨くことができるため、虫歯や歯周病になりにくい治療法です。

衛生的

インビザラインは、治療を始める最初に治療中に使用するすべてのマウスピースを作成します。そして1~2週間に一度、新しいマウスピースをに取り替えながら歯並びを整えていきます。定期的に新しいものと取り替えるので衛生的に使えます。

インビザラインのゴムかけとは

インビザライン治療の大切な装置の一つにゴムかけがあります。ゴムかけは治療の期間や成功に大きく関わってきます。ゴムは「エラスティック」と呼ばれます。ゴムかけの治療の段階になると、自分の歯やマウスピースに丸い突起のような装置をつけます。突起状のボタンをつける場所がカットされているので、その部分にボタンをつけてゴムをかけるようになっています。

突起はマウスピースの上下に何箇所かあります。前歯に近い、口を開けたときに目立つ部分は目立たない透明の突起で、奥歯の方は金属製を使用しています。金属製の方が外れにくいという特徴があります。

医療用ゴムを使用

エラスティック(顎間ゴムとも言われます)は、医療用のゴムが使われています。輪の状態になっていて、大きさの異なる種類がいくつかあります。輪の大きさが小さくなるほど、矯正する力は強くなります。歯を動かす距離や矯正する力の強さを考えて、どのゴムを使うかが決まります。このエラスティックをマウスピースに付けた突起状のボタンにひっかけます。

歯の移動を助ける

ゴムかけをすることで、歯が移動するのを助けます。マウスピースだけで歯を動かすよりも早く歯並びが整っていきます。ゴムかけを行う時期は、見た目の歯並びのガタガタが整ってきた時期が多く、噛み合わせの調整に入る頃に始まるケースが多いです。

噛み合わせを整える

上下のマウスピースの突起にゴムをひっかけて引っ張り合うことで、上下の噛み合わせや左右のにずれた噛み合わせのバランスを整えます。また、出っ歯や受け口の治療でもゴムかけを行います。ゴムをかける突起の位置によってかかる力の方向が変わり、それぞれの症例の矯正をサポートをします。

自分でかける必要がある

ゴムかけは、インビザラインに限らずすべての歯列矯正法で行う期間があります。まれに、歯並びや治療の状態によってゴムかけが必要ないまま治療が終了する場合がありますが、ほとんどのケースで使用すると覚えておきましょう。

インビザラインのゴムかけは患者自らが行う必要があります。正しくゴムがかけられない場合、治療期間が伸びたり最初のシミュレーション通りの効果が出なくなってしまうことがあります。

インビザラインのゴムかけのやり方と注意点

インビザラインのゴムかけのやり方を紹介します。マウスピースにゴムをひっかける突起があるのでそこに引っかけるようになっています。最初は慣れないかもしれませんが、患者自らが行わなければいけないため歯科医師にしっかり教わりましょう。

正しくかける

ゴムを正しくかける必要があります。初めのうちは鏡を見ながらしっかり突起にゴムをかけましょう。使用するゴムの大きさは歯科医師から指示がありますから、間違えないように指定されたエラスティックを使ってください。ゴムかけ用の道具(エラスティックホルダー)があるのでそれを使いながら正しくひっかけます。

慣れないうちは時間がかかったり、ゴムをかけているため話しづらいといった不自由を感じる場合がありますが、慣れてくると手で直接かけられるようにもなります。

1日20時間以上つける

ゴムの装着時間も大切です。基本的にマウスピースの装着時間と同等の最低1日20時間以上つける必要があります。食事や歯磨き以外のときは、マウスピースを装着してゴムもかけると覚えておきましょう。

ゴムは毎日取り替える

エラスティックは毎日夜新しいものと取り替えます。衛生的な意味だけでなく、ゴムの伸縮性が弱くなるとゴムかけの効果が減少してしまうので必ず毎日取り替えるのを忘れないようにしましょう。左右どちらかのゴムが切れてしまった場合は、両方新しいゴムに取り換える必要があります。

左右の噛み合わせや引っ張る力を均等にして矯正する必要があるためです。

外出時も必ずゴムとホルダーを忘れずに

外出するときはマウスピースケースと一緒にゴムとゴムかけをするエラスティックホルダーも忘れずに持ち歩きましょう。万が一、外出先でゴムが切れてしまったときはすぐに新しいものに付け替えます。

サボってしまったり外出先でゴムが切れてしまうなどトラブルが発生し、装着時間が短くなってしまうと矯正の仕上がりに大きく影響が出てしまいます。

まとめ

インビザラインのゴムかけはとても重要な治療です。マウスピースでは左右の歯並びを整えられますが、上下の噛み合わせの調整はマウスピースだけでは不十分です。ゴムの力で上下のバランスも整える必要があります。

患者自身がゴムかけを行わなければいけないため、マウスピースの装着と共に、自己管理がとても大切になってきます。インビザライン治療で、ゴムかけの時間が十分に足りていないと歯が前に出てきて出っ歯になったり、マウスピースが合わなくなるなどのトラブルが起きる場合もあります。

「ゴムが足りなくなった」「仕事柄、ゴムかけは見た目の印象が変わるので難しい」という場合も、勝手に判断してゴムかけをやめたりせず、必ず担当の歯科医師に相談してください。

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