ワイヤー矯正に比べて食事制限が少ないインビザライン矯正ですが、飲食するときにはマウスピースを取り外す必要があります。
治療期間が1〜2年間と長期になることが多い歯科矯正治療なだけに、食事についての不安や疑問がある方も多いのではないでしょうか。
今回はインビザライン矯正中の食事について、普段の飲食や間食などの際のよくある疑問や注意点について解説します。
目次
1.インビザライン装着中の飲食が基本的にNGな理由
インビザライン矯正中は、食事の際に装置を取り外す必要があります。
理由は主に以下の3点です。
(1)食べカスが溜まって虫歯の原因になる
唾液には殺菌作用があり、飲食をした後に唾液がまんべんなく口内に行き渡ることで虫歯を防いでいます。
しかし、アライナーを歯に装着したまま飲食をすると、唾液は口内に行き渡らず殺菌作用が働かないまま、食べカスが装置と歯の間に溜まり続けてしまい、とても不衛生です。
大きく歯を削る治療が必要な虫歯ができてしまうと歯形が変形してしまい、アライナーが合わなくなってしまうリスクがあります。
(2)インビザラインが変形する
インビザラインはポリウレタンなどの柔らかいプラスチックから作られています。
食べ物を噛む力で装置を噛んでしまうと、割れたりヒビが入ったりなど破損する可能性があります。
装置は一度破損してしまうと修復するのが困難なため、効果的な治療に繋がらなくなる可能性もあるので注意しましょう。
(3)インビザラインに色素が付着する
色が濃い飲み物や色素の強い食べ物を口にすると、アライナーに色素が付着してしまいます。
せっかく透明で歯につけても目立たないインビザラインが、色素で黄ばんでしまっては台無しです。
ワイヤー型矯正とは違い取り外しできるのがインビザラインの最大のメリットなので、美しい歯を守るためにも色素が強いものを口にするときは必ずアライナーを取り外すようにしましょう。
2.マウスピース装着中に飲んでOKな飲み物・NGな飲み物
マウスピース矯正中に飲んでOKな食べ物、NGな食べ物について解説します。
(1)装着したまま飲んでもいいのは水、白湯、無糖の炭酸水
インビザラインを装着したまま飲んでも問題ない飲み物の条件は、以下の3つです。
- 糖分が入っていない飲み物
- 色素のない飲み物
- 常温か冷たい飲み物
水、人肌に冷ました白湯、無糖の炭酸水がこれに当たります。
この3つの飲み物であれば、インビザラインを装着中にどれだけ飲んでも大丈夫です。
熱い飲み物を飲むと変形する可能性があるので注意しましょう。
(2)装着中に避けるべき飲み物とその理由
マウスピース装着中に避けるべき飲み物とその理由を解説します。
①糖分が入っている飲み物
以下のように糖分の入っている飲み物は、マウスピース装着中は飲めません。
- 清涼飲料水
- スポーツドリンク
- 酎ハイやハイボール
- 糖分の入ったフレーバーウォーター
- 人工甘味料の入ったゼロカロリー飲料
清涼飲料水やスポーツドリンクは糖分を多く含み、マウスピースと歯の間に糖が付着し続けると虫歯や歯周病の原因になるので避ける必要があります。
また、味としては甘くなくても酎ハイやビールなどのお酒にも糖分は含まれています。
透明でフレーバーが付いているフレーバーウォーターなども糖分が入っていることがあるので、水として考えてはいけません。
人工甘味料を使ったゼロカロリー飲料も微量の糖分が含まれていることが多いので、飲むときは装置を取り外してからにしましょう。
②色素が強い飲み物
以下のように、色素の強い飲み物は飲まない方が良いです。
- コーヒー
- 紅茶
- 赤ワイン
色素が強い飲み物はインビザラインと歯の間に色素が沈着し、歯が着色しやすくなってしまいます。
必ずマウスピースを外してから飲むようにしましょう。
③熱い飲み物
寒い季節になると飲みたくなる熱い飲み物ですが、マウスピースが熱で変形してしまうことがあるので、飲むときには注意が必要です。
マウスピースが変形してしまうと、計画通り歯が動かなくなるリスクがあります。
温かい飲み物は、マウスピースを外してから飲むことをおすすめします。
(3)ストローを使えば装着中でも甘い飲み物や熱い飲み物を飲める?
答えはNOです。
ストローを使うと歯やアライナーに飲み物が触れずに飲めそうなイメージですが、ストローで飲んでも口の中に多少の糖分や色素が残るので、完全にリスクがないわけではありません。
また、熱い飲み物はストローで飲むと喉をやけどする可能性もあるので注意してください。
ただし、やむを得ず糖分や色素のある飲み物を飲むときには、そのまま飲むよりは使うメリットがあります。
しかし、飲んだあとは必ずうがいをして口内をゆすぐことをおすすめします。
365日相談できるので、「この飲み物は装着中に飲んでもOK?」など、些細な疑問も気軽に聞いていただけます。
3.マウスピース装着中に食事をしてはいけない理由
インビザラインなどの矯正用マウスピースは歯の形に沿っているため、「食事をしても大丈夫なのではないか?」「物理的に食べられるものであれば食べても良いのでは?」と思うかもしれません。
しかし、以下の理由から、原則マウスピース装着中は食事をするべきではありません。
(1)虫歯のリスクがある
マウスピース装着中に食事をしてしまうと、歯とマウスピースの間に食べ物が挟まり虫歯のリスクが高まります。
矯正中はマウスピースの中まで唾液が回りにくく虫歯になりやすいため、もし装着したまま食事をしてしまった場合はすぐに歯磨きとマウスピースの洗浄を行いましょう。
(2)破損のリスクがある
マウスピースを装着したまま食事をしてしまうと、マウスピースを破損する場合があります。
矯正用マウスピースを破損してしまうと追加費用がかかったり治療が中断してしまうため、注意しましょう。
(3)着色のリスクがある
マウスピース装着中に食事をしてしまうと、食べ物の色素が歯に着色してしまうリスクがあります。
マウスピースの中は唾液が回りづらく、挟まった食べ物もとどまりやすいため、必ず外してから食事をしてください。
4.インビザライン矯正中の飲食に関するよくある疑問
インビザライン矯正中の飲食に関するよくある疑問にお答えします。
(1)マウスピース装着中に食べても良い食べ物・絶対NGな食べ物は?
基本的に、マウスピース装着中に食べて良いものはありません。
必ず取り外してから食事をしましょう。
特に、ガムなどの粘度の高いものは絶対に食べないようにしてください。
マウスピースにガムが付いてしまうと、取れなくなり、追加費用を払ってマウスピースを作り直す必要が出てきます。
(2)インビザラインのマウスピースは咀嚼で割れる?
矯正用マウスピースは、咀嚼で強い力が加わると割れてしまう可能性はあります。
やむを得ずマウスピースを外せなかったとしても、強い力で噛む必要があるような固いものを食べるのは避けてください。
(3)インビザラインを着けたままマウスウォッシュしても良い?
マウスピースを着けたままマウスウォッシュをすると着色のリスクがあるため、おすすめできません。
また、歯磨きの代わりにマウスウォッシュのみで済ませることも、汚れが残りやすいため良くありません。
矯正中、疑問や不安なことが起きた場合はいつでもご相談いただけます。
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