歯科矯正のモニターとは?トラブルに遭わないためのポイントも解説

大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。医療現場で予防の重要性や予防に取り組んでもらうことの難しさを痛感。美容という切り口で本質的な予防につなげる入口として、口腔という臓器に興味を持つ。口腔環境が多くの臓器に影響を及ぼし、多くの病気に繋がってしまうというポイントから予防について新聞・テレビ・WEBメディア等で情報を発信している。 https://www.med.oita-u.ac.jp/ https://www.oita-u.ac.jp/
 

歯科矯正のモニターに申し込むと、通常より安い料金で矯正治療が受けられます。

しかしモニターとしての治療にはさまざまな条件があるため、きちんと調べてから申し込む必要があります

この記事では、歯科矯正モニターの種類やメリット、リスクについて詳しく解説します。

1.歯科矯正のモニターとは 主な3つの種類

歯科矯正におけるモニターとは、症例写真を提供するなど患者がクリニックに協力することで、特典付き(安い料金になるなど)の矯正治療を受けることをいいます。

モニターの条件や特典にはさまざまな種類がありますが、なかには矯正費用が20万円以上割引になるケースもあります(詳しくはあとで解説します)。

「安い料金で治療を受けたい」患者側としては、条件が合えばモニターを利用したいところでしょう。

一方、各クリニックはどのような目的でモニター制度を設けているのでしょうか。

クリニックやブランドによって内容は異なりますが、以下の表のとおり、主に3つの利用目的のためにクリニック側はモニター募集を行っています。

概要 利用先、利用方法
症例写真利用のためのモニター 矯正開始から矯正終了までの写真を成果
として残すために募集されるモニター
写真は、クリニックのHPやSNS、学会報告、
他の患者様への説明用資料として利用される
アンケート収集のためのモニター 矯正治療を受けた後の感想や体験談を得
るためのモニター
感想などは、HPやSNS、各種資料、歯科医師
の技術アップのため利用される
SNS口コミ投稿のモニター 矯正治療の感想をSNSに投稿してもらう
ためのモニター
感想などは、患者に自身のSNSで投稿してもら
う形で利用される

モニターの条件や特典内容は、各クリニックの目的によって異なるので、自分に合ったモニターがあるのか確認しましょう。

2.歯科矯正のモニターでお得になる金額 合計10件紹介

では、モニターを利用することで具体的にどれくらいの金額がお得になるのでしょうか。

この記事では、ワイヤー矯正とマウスピース矯正のモニター価格についてそれぞれ調査したので、以下で詳しく解説します。

なお、歯科矯正では、歯並びの症状や予算、矯正する範囲などによって矯正方法が異なります。

「自分の歯並びにおすすめの矯正方法が知りたい」という人は、hanaraviのLINE登録し、質問に答えるとおすすめの矯正方法がわかります

(1)ワイヤー矯正

ワイヤー矯正とは、歯の表面や裏側にブラケット型の装置をつけ、ワイヤーで力を加えて徐々に歯を動かす矯正方法のことです。

【参考記事】

ワイヤー矯正とは?種類や素材、費用、他治療との比較について解説

ワイヤー矯正におけるモニター制度について調査したところ、以下の表にまとめた結果が得られました。

モニターの条件 モニターの特典
クリニックA ・施術に関する写真や動画の撮影
・院内使用用途のアンケートの提出
通常だと4万4,000円以上かかる歯肉矯正が無料になる
クリニックB ・学会発表、論文発表に症例情報を提供・ホームページ
への症例写真掲載を許諾
※ホームページには名前や顔の全体写真は掲載しない
【検査費用】
44,000円(税込) →39,600円(税込)
【矯正費用】
ワイヤー矯正(全体矯正)
880,000円(税込) →795,000円(税込)
ワイヤー矯正(部分矯正)
495,000円(税込) →455,000円(税込)

調査の結果、ワイヤー矯正におけるモニター制度の数は少ないですが、クリニックによっては4~8万円程度矯正費用が抑えられることがわかりました。

また、歯肉矯正(歯に覆いかぶさった歯肉を切除する治療)などのオプション治療が無料になったり、検査費用が安くなるモニターもあります

(2)マウスピース矯正

マウスピース矯正とは、薄く透明なマウスピース型の矯正装置を装着し、歯を徐々に動かす矯正方法のことです。

【参考記事】

マウスピース矯正とは?効果やメリット、ワイヤー矯正との違いを解説

マウスピース矯正におけるモニター制度について調査したところ、以下の表にまとめた結果が得られました。

条件 モニター価格
クリニックC HP上では非公開 【インビザライン(マウスピース矯正ブランドの1つ)
¥450,000→¥400,000
クリニックD HP上では非公開 【3年間の治療費+検査費用など】
¥600,000→¥500,000
【3年間の治療費など+ホワイトニングやクリーニング費用】
¥700,000→¥600,000
クリニックE ・症例情報の外部公開
・詳細なアンケートの回答
【全体矯正 6ヵ月プラン】
¥400,000→¥348,000
【全体矯正 12ヵ月プラン】
¥600,000→¥548,000
【全体矯正 24ヵ月プラン】
¥800,000→¥698,000
クリニックF ・施術前後の写真撮影

・手術中の動画撮影

・WEBサイト、雑誌広告での情報公開の協力

【クリアコレクト(マウスピース矯正ブランドの1つ)】
¥500,000→¥435,000
【インビザライン】
¥335,500→¥293,500
¥498,000→¥420,000
クリニックG ・HPやSNS、院内で説明用に症例写真を使用する

※顔写真は使用しない

【インビザライン】
¥850,000→¥600,000
¥350,000→¥250,000
クリニックH HPでは非公開 【インビザライン】
¥690,000→¥550,000
¥1,100,000→¥890,000
【クリアコレクト】
¥360,000→¥310,000
¥160,000→¥130,000
クリニックI ・HPやSNSで口腔内写真/CGなど使用
・アンケート協力
※顔出しなし
※未成年はモニター不可
【インビザライン】
¥798,000→¥600,000
クリニックJ HPでは非公開 【インビザライン】
¥935,000→¥748,000

モニター価格による割引価格はさまざまなですが、最高で25万円ほど割引になるクリニックもありました。

ワイヤー矯正と比べると、マウスピース矯正はモニター募集しているところが多く、また割引も高額になる傾向があります

3.歯科矯正のモニターの注意点

その一方で、歯科矯正のモニターを受ける際は以下の点に注意する必要があります。

(1)顔出しありのモニターもある

1つ目の注意点は「顔出しが必須のモニターもある」ことです。

クリニックによっては、モニターの際に撮影した顔の写真がSNS上や医院でのホームページに使われるところもあり、また「顔出しあり」だとさらに安い価格でモニターを受けられることもあります。

しかし、「顔出し」は大きな個人情報の流出にあたるため、注意が必要です。

「これくらいの規模のHPであれば顔出ししても大丈夫」と思って顔出しありのモニターで治療したところ、想像以上にHP上で顔写真が扱われて困った……というケースも考えられます。

「顔出しあり」のモニターを選ぶ場合は、どのような媒体で、どれくらいフォーカスされて顔写真が出されるのかしっかり確認しておきましょう

(2)希望する矯正方法を選べないこともある

2つ目の注意点は「希望する矯正方法を選べないこともある」ことです。

全ての矯正方法においてモニター制度を設けられているわけではありません。また、それぞれの歯並びによって適切な矯正方法は異なります。

そのため、「マウスピース矯正でしかモニターは利用できないけど、本当はワイヤー矯正を選ぶべきである」という状況もあり得るわけです。

「割引だから」と無理をして合わない矯正方法を選択すると、矯正にかけた時間や費用が無駄になります。最悪の場合、歯根が露出するなどのリスクが生じます

【参考記事】

歯科矯正でよくある7つの失敗事例!防ぐ方法と失敗後の対応も解説!

モニター制度を利用する際は、自分に合った矯正方法について医師としっかり相談しましょう。

(3)モニター報酬のトラブルが生じた事例もある

3つ目の注意点は「モニター報酬においてトラブルが生じた事例もある」ことです。

歯科矯正のモニターで「モニター報酬の不払い」が問題となり、患者から集団提訴が起きたケースもあります。

このトラブルが起きたクリニックでは、モニター制度を利用すると、治療費と同額の報酬が後から支払われることになっていました。

しかし、クリニックは報酬の支払いを完遂することができず、モニター制度を利用した患者から訴えられることになったのです。

この事例は特殊なケースかもしれませんが、モニター制度においてこのようなトラブルがあったことは知っておくべきでしょう。

4.歯科矯正のモニターを選ぶ時のポイント

歯科矯正のモニターを選ぶ時は、以下のポイントを押さえましょう。

(1)クリニックや矯正ブランドの実績・評判を確認する

1つ目のモニターを選ぶポイントは「クリニックや矯正ブランドの実績・評判を確認する」ことです。

近年、マウスピース矯正が流行しており、矯正経験が少ないクリニックが矯正をはじめるケースも増えています。

しかし、歯科矯正には失敗するリスクもあります。知識や経験が少ない医師が治療を行うとそのリスクが高まるでしょう。

クリニックによっては、HPで年間症例数を公開しているところもあり、そうした確かな実績を持つところで矯正を受けると安心です。

また、以下の記事で信頼できるクリニックの選び方について確認するとなお良いでしょう

【参考記事】

矯正歯科の選び方を医師が解説!6つのポイントとよくある疑問も紹介

また、マウスピース矯正においても、多くのブランドがあり、どれが自分にあっているか判断するのも難しいはずです。

口コミなどの評判を確認しつつ、各ブランドで無料相談などを行ってみるのがおすすめです

(2)サポート体制が整っているか確認する

2つ目のポイントは「サポート体制が整っているか確認する」ことです。

歯科矯正では、治療中の痛みや不安、矯正装置の違和感などが生じるものです。そうした不安が生じた場合、すぐに相談できる体制なのか確認しておくことが重要になります。

マウスピース矯正ブランドによっては、LINEで相談できる体制が整っているところもあり、そうした「すぐに連絡できるブランド」だと安心して矯正を行うことができます。

また、クリニックにおいては「矯正担当の医師が常駐かどうか」がポイントになります。一般歯科と矯正歯科が一緒になっているクリニックなどでは、必ずしも矯正を担当する医師が常駐しているとは限りません。

なにかあったときにすぐ対応してくれる体制が整ったクリニック・矯正ブランドを選ぶ視点もまた、重要なポイントになります。

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(3)歯科矯正に関する知識を身に着ける

3つ目のポイントは「歯科矯正に関する知識を身に着ける」ことです。

歯科矯正は基本的に医療保険が適応されず、費用が高額になります。また、矯正にはさまざまな方法・クリニック・矯正ブランドがあり、自分にとって何を選ぶのがふさわしいか検討するのが難しいです。

医師に相談することは基本ですが、自分で調べて事前に知識を身に着けて置くことも重要です。

5.安心して治療するならマウスピース矯正のhanaravi(ハナラビ)

月々4,700円から始められるマウスピース矯正のhanaravi(ハナラビ)なら、ワイヤー矯正にもマウスピース矯正にも詳しい経験豊かな医師が治療を担当します。月々の値段も抑えて、信頼できる医師とともに治療を行いたい人におすすめのブランドとなっています。LINEで相談できる体制も整っており、無料相談にも応じます。「マウスピース矯正に興味がある」という人はぜひ、一度hanaraviに相談してください。

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