マウスピース矯正ができないケースとは?適用不可能な例を歯科医師が解説

大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。医療現場で予防の重要性や予防に取り組んでもらうことの難しさを痛感。美容という切り口で本質的な予防につなげる入口として、口腔という臓器に興味を持つ。口腔環境が多くの臓器に影響を及ぼし、多くの病気に繋がってしまうというポイントから予防について新聞・テレビ・WEBメディア等で情報を発信している。 https://www.med.oita-u.ac.jp/ https://www.oita-u.ac.jp/
 

「マウスピース矯正ができない例が知りたい」

「どんな歯並びだとマウスピース矯正できないの?」

そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、

  • マウスピース矯正ができない例
  • 合わない治療法で矯正した場合のリスク
  • マウスピース矯正ができない場合の矯正方法

などについて解説します。

目次

1. マウスピース矯正ができない例7選

以下の7つのどれかに当てはまる場合、マウスピース矯正が難しかったり、できない場合があります。

  1. 重度の不正咬合
  2. 重度の歯周病
  3. 骨格に問題がある
  4. インプラントが多数入っている
  5. 埋まっている歯がある
  6. 自己管理が著しくできない
  7. 永久歯が生えそろっていない

以下で詳しく解説していきます。

(1) 重度の不正咬合

重度の不正咬合の人は、マウスピース矯正ができないケースが多いです。

重度の不正咬合とは、噛み合わせまで含めた治療が必要な歯並びや、歯を大きく移動させる必要がある歯並びのことを指します。

このような場合はワイヤー矯正の方が向いているケースが多いでしょう。

また、一見軽度のように見えても、歯や顎の位置関係、噛み合わせの状態などによっては中度や重度の場合もあります。

あなたの歯並びがマウスピース矯正の適応になるかどうか知りたい人は、一度歯科医院で診断を受けてみましょう。

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(2)重度の歯周病

歯周病のイラスト 重度の歯周病がある場合、マウスピース矯正だけでなく、矯正治療をおこなえない場合があります。

その理由は、矯正治療中に歯を動かすことで、既に弱っている周辺組織にさらなる負担をかけ、歯周病を悪化させたり歯の喪失につながる可能性があるからです。

また、歯周病があることで治療効果を十分に発揮できないこともあります。

歯周病とは
歯周病(periodontal disease)とは、歯の周辺組織が細菌の感染により炎症を起こす病気のことです。歯肉が赤く腫れたり、ブラッシングや食事時に出血したりします。進行すると骨が次第に失われていくほか、放置すると歯の喪失や全身疾患(心臓病や糖尿病など)のリスクを高めます。(参考文献:日本歯周病学会

歯周病がある人は、矯正治療を検討する前に歯周病の治療が必要です。まずは歯科医師に相談しましょう。

(3)骨格に問題がある

骨格に問題がある場合、マウスピース矯正だけでは治療できないケースが多いでしょう。

歯を動かすだけでなく、骨そのものの形状や位置を調整する外科矯正が必要なためです。

外科矯正と歯列矯正の両方が必要な場合もあります。

骨格に問題があるかもしれないと感じたら一人で悩まず、まずは信頼できる歯科医師に相談しましょう。

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(4)インプラントが多数入っている

インプラントが多数入っていると、マウスピース矯正ができない可能性があります。

インプラント自体が骨に直接固定されており、自歯のように動かすことができないからです。

また、インプラント周辺の歯を移動させるとインプラントと自歯とのバランスが崩れ、噛み合わせに影響を与える可能性がある他、インプラントの寿命を縮める危険性もあります。

ただし、すべてのケースでできないわけではありません。

マウスピース矯正が可能かどうか知りたい場合は、矯正専門の歯科医師に相談しましょう。

(5)埋まっている歯がある

正常に生えてこず、埋まったままの歯がある場合、マウスピース矯正ができない可能性があります。

埋まっている歯があると、その位置や角度によっては治療の妨げになるためです。

そのため矯正前に埋まった歯を取り出すなど、何らかの処置が必要になることもあります。

しかし、口腔内の状態や治療範囲によってはマウスピース矯正が可能です。

具体的な治療方法や適応可能性について知りたい場合は、矯正の専門歯科医師に相談しましょう。

(6)自己管理が著しくできない

マウスピース矯正は、自己管理が必要な治療法です。

1日20時間以上マウスピースを装着する必要があるため、自己管理能力が著しく低い人にはマウスピース矯正が向いていません。

どうしてもマウスピース矯正をしたい場合は、サポート体制が整ったサービスを選ぶと挫折しづらいでしょう。

例えばhanaraviなら365日対応のLINEサポートがあるので、自分の意志だけに頼らず治療をすすめられます。

実際、一般の歯科矯正の離脱率は高く、約40%の人が離脱してしまいますが、hanaraviの離脱率は約2%

意志の弱い人でも続けられるようサポート体制を整えているので、自己管理に自信のない人でも安心です。

(7) 永久歯が生えそろっていない

成長期の子どもの場合、矯正治療中に親知らずや新たな歯が生えてくることがあります。

新たに歯が生えてきたり予想外の生え方をした場合、マウスピースの形状が合わなくなり、予定していた矯正効果が得られなかったり、治療計画の立て直しが生じる可能性が高いです。

そのため、マウスピース矯正が向いていないケースが多いのが事実です。

特に小児の場合は保護者の伴走が必須になるため、歯科医師と十分なカウンセリングを行い、最適な治療法を選ぶことが重要です。

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2. あなたは向いてる?マウスピース矯正のメリット・デメリット

マウスピース矯正の適応かどうかも重要ですが、矯正開始後に後悔しないよう、メリット・デメリットの両方を知っておくことも大切です。

マウスピース矯正のメリット

マウスピース矯正のメリットは、

  • 見た目に目立ちづらい
  • 自分で簡単に取り外しできる
  • 食事や歯磨きがしやすい
  • 比較的痛みや違和感が少ない
  • 金属アレルギーの人も治療できる
  • 通院頻度が抑えられる

などです。 以下で詳しく解説します。

見た目に目立ちづらい

矯正用マウスピースは薄くて透明なので、装着中も目立ちません。

そのため、見た目を気にして口を開けて笑えなかったり、人前に出る必要があっても気にせず生活を送れます。

自分で簡単に取り外しできる

マウスピース矯正は従来のワイヤー矯正とは異なり、自分で簡単に取り外し可能です。

1日20時間装着する必要はありますが、どうしても外したいときは取り外しできるので安心です。

食事や歯磨きがしやすい

矯正用マウスピースは取り外しが可能なため、矯正していないときと同じように食事や歯磨きができます。

従来のワイヤー矯正に比べ、圧倒的に生活の質を落とさずに矯正をすすめられるのが魅力です。

比較的痛みや違和感が少ない

痛みが少ない点は、マウスピース矯正の強みの一つです。

従来のワイヤー矯正では口腔内に器具が当たる痛みが発生することが多く、ストレスに感じる人も少なくありません。

一方マウスピース矯正の場合、歯に沿った形の薄いマウスピースを装着します。

そのため器具が当たる痛みはほぼなく、慣れてしまえば着けているのを忘れるほど違和感がないのが特徴です。

金属アレルギーの人も治療できる

マウスピース矯正では、金属を一切使いません。

そのため金属アレルギーの人でも矯正治療が可能です。

矯正後の保定装置もマウスピース型を使えば、完全に金属フリーで矯正できます。

通院頻度が抑えられる

マウスピース矯正は、1~2週間ごとに自分でマウスピースを交換し、歯列を整えていく矯正です。

従来のワイヤー矯正のように、定期的に歯科医院で調整してもらう必要がありません。

そのため、通院頻度が少なく済みます。

hanaraviのマウスピース矯正であれば、経過観察もLINEでできるので、初診と終了確認以外での通院は処置が必要な場合のみ。

忙しい人や、近くに質の高い歯科医院がない人でも矯正をすすめられるので、矯正のハードルがぐっと下がります。

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hanaraviでは、LINEを使った相談・サポート体制を整えています。
初診による対面診断のあとは、最低限の通院で矯正を行っていただけます。

マウスピース矯正のデメリット

一方、マウスピース矯正には欠点もあります。

  • 自己管理が必要
  • 一時的に噛み合わせが悪くなりやすい
  • 装着中は飲食を自由にできない
  • 向いていない症例もある

自己管理が必要

マウスピース矯正は、取り外しができるぶん自己管理が必要です。

1日最低20時間装着の必要があり、交換タイミングも指示通りおこなう必要があります。

そのため、自己管理に自信がない人はマウスピース矯正が向いていないかもしれません。

一時的に噛み合わせが悪くなりやすい

ウスピース矯正は、マウスピースの厚みがあるぶん奥歯に力がかかりやすいため、奥歯の高さが一時的に低くなることがあります。

そのため一時的に嚙み合わせが悪くなる可能性があります。

ただ、通常は矯正終了後、マウスピースの装着をやめれば自然と元に戻るので過度な心配はいりません。

装着中は飲食を自由にできない

マウスピースを装着中は、飲食が制限されます。

色のついた飲み物は色素沈着のおそれがあるほか、固形物や甘いものを食べてしまうと、マウスピースと歯の間に長時間食べ物がとどまることになり、歯周病や虫歯のリスクが高まります。

そのため、マウスピース装着中は基本的にはお水か無糖の炭酸水しか飲むことができません。

向いていない症例もある

マウスピース矯正には向いていない症例もあります。

重度の不正咬合をはじめ、歯科医師がワイヤー矯正の方が向いていると判断した場合は、適用できません。

こちらの章で詳しく解説しているので、是非チェックしてみてくださいね。

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hanaraviでは、LINEを使った相談・サポート体制を整えています。交換タイミングや装着時間のチェックなど、矯正終了までしっかり伴走するので、自己管理が苦手な人でも挫折せずに矯正を進められます。

3.写真で解説|マウスピース矯正で治療できる症例

マウスピース矯正は、軽度の不正咬合や、前歯のみの部分矯正に適しています。

ここでは、実際にマウスピース矯正で治療した症例を写真と共にご紹介します。

①すきっ歯

すきっ歯の症例

症状 正中離開(すきっ歯)
費用 ¥300,000(検査代+処置代+アライナー代+リテーナー代込み)
期間 約6ヶ月
年齢 31歳
性別 男性
治療内容 11番、21番が正中から離れている為、そこを優先的にマウスピースで動かしてで埋める。 それに伴い上下顎の軽度のガタツキを治療。
リスク 歯を動かすことによって歯と歯肉との間に隙間ができてしまうことがございます。 この場 合は歯を削る処置を行い歯同士をより密着させて隙間を無くす処置をとります。 歯を動か すことによって歯根が短くなり、治療後に歯がグラグラしてしまう事が考えられます。 先 天的な要因でそのリスクが高い方にはレントゲンによる画像診断を行います。 矯正治療中 に歯に大きな力が加わると稀に歯の神経が死んでしまうことがございます。矯正治療に よって噛み合わせが変化し、顎関節症になってしまうリスクが考えられます。 多くの場合 は経過観察を行っていく中で自然に治っていきます。

②出っ歯(口ゴボ)

上の前歯が極端に前に突き出している状態です。歯の生える向きが悪いケースのほか、顎の骨そのものが前に突き出ている「上顎前突」と呼ばれるケースもあります。 出っ歯の症例

症状 上顎前突(出っ歯)
費用 ¥450,000(検査代+処置代+アライナー代+リテーナー代込み)
期間 約8ヶ月
年齢 21歳
性別 女性
治療内容 11番、21番の前突をマウスピースにて舌側傾斜させて改善。
リスク 歯を動かすことによって歯と歯肉との間に隙間ができてしまうことがございます。 こ の場合は歯を削る処置を行い歯同士をより密着させて隙間を無くす処置をとります。 歯を動かすことによって歯根が短くなり、治療後に歯がグラグラしてしまう事が考え られます。 先天的な要因でそのリスクが高い方にはレントゲンによる画像診断を行い ます。 矯正治療中に歯に大きな力が加わると稀に歯の神経が死んでしまうことがござ います。矯正治療によって噛み合わせが変化し、顎関節症になってしまうリスクが考 えられます。 多くの場合は経過観察を行っていく中で自然に治っていきます。

③ガタツキ(叢生)

歯と歯の間に隙間が空いてしまう症例を指します。歯が小さかったり、ねじれ等によってまっすぐ生えていなかったり、といった様々なことが原因で発生します。ガタツキのある歯の症例

症状 叢生(前歯のガタツキ)
費用 ¥450,000(検査代+処置代+アライナー代+リテーナー代込み)
期間 約1年
年齢 28歳
性別 女性
治療内容 主訴は11番の前突、それによる歯列弓全体に及ぶ叢生をマウスピースを用いて改善。
リスク 歯を動かすことによって歯と歯肉との間に隙間ができてしまうことがございます。 こ の場合は歯を削る処置を行い歯同士をより密着させて隙間を無くす処置をとります。 歯を動かすことによって歯根が短くなり、治療後に歯がグラグラしてしまう事が考え られます。 先天的な要因でそのリスクが高い方にはレントゲンによる画像診断を行い ます。 矯正治療中に歯に大きな力が加わると稀に歯の神経が死んでしまうことがござ います。矯正治療によって噛み合わせが変化し、顎関節症になってしまうリスクが考 えられます。 多くの場合は経過観察を行っていく中で自然に治っていきます。
hanaraviの特徴
hanaraviでは、矯正開始前に、患者さんの歯をスキャンし、詳細な3Dイメージを制作します。 矯正前から矯正後までの歯の動きを動画で確認することができ、具体的な仕上がりイメージを確認したうえで矯正を始められます。

4. 合わない治療法で矯正をした場合の5つのリスク

マウスピース矯正に限らず、合わない治療法で矯正することはおすすめできません。

合わない治療法で矯正した場合のリスクについてご紹介します。

  1. 理想の歯並びにならないリスク
  2. 治療期間が長引くリスク
  3. 追加費用がかかるリスク
  4. 噛み合わせが悪くなるリスク
  5. 再矯正が必要になるリスク

(1) 理想の歯並びにならないリスク

合わない治療法で矯正すると、うまく歯が動かず理想通りの歯並びにならないリスクがあります。

せっかくお金をかけたのに理想通りにならないのは残念ですよね。

確実に満足のいく結果を得たいのであれば、最も適した治療法で矯正をすすめましょう。

(2) 治療期間が長引くリスク

合わない矯正方法で無理にすすめてしまうと、合う方法で治療した場合よりも治療に時間がかかる可能性があります。

計画通りに動かないリスクもあり、「いつまで経っても矯正が終わらない」ということにもなりかねません。

最短で最大の効果を得るためにも、最適な治療方法を選ぶことが重要です。

(3) 追加費用がかかるリスク

合わない治療法を選んでしまうと、予定外の費用が発生する可能性があります。

理想通りに歯が動かず、追加の治療が必要になる場合があるからです。

「安さで治療方法を選んだにもかかわらず、結局思ったよりも費用がかかってしまった」という人は少なくありません。

そのため、専門の歯科医師のアドバイスを受け入れ、最適な矯正方法を選ぶことが重要です。

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hanaraviでは、プラン通りの歯並びにならなかった場合、原則プランの再作成が無料です。最初に提示した料金以外の費用が発生しないので、安心して矯正をすすめられます。 

(4) 嚙み合わせが悪くなるリスク

合わない治療法で治療をした場合、噛み合わせが悪くなってしまうリスクがあります。

見た目だけ整えればいいと考える人は多いですが、嚙み合わせを無視して治療をすすめることはおすすめしません。

顔の歪みにつながったり、長期的にみて健康に悪影響が出てくる可能性があるからです。

(5) 再矯正が必要になるリスク

合わない治療法で矯正をした場合、満足のいく歯並びにならず、後から再矯正したという人は少なくありません。

そうなると、結果的に治療期間も費用も増大することになってしまいます。

再矯正にならないためにも、必ず矯正専門の歯科医師に相談し、最適な治療法を提案してもらいましょう。

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5. マウスピース矯正ができないと言われた場合の矯正方法

マウスピース矯正が適応できない場合、別の矯正方法を選ぶ必要があります。

具体的には、以下の治療法が挙げられます。

  1. 表側矯正(ワイヤー矯正)
  2. 裏側矯正(ワイヤー矯正)
  3. セラミック矯正
  4. その他の矯正方法(外科矯正など)

以下の表は、矯正方法を比較したものです。参考にしてみてくださいね。

矯正方法の比較表。マウスピース矯正の特徴は、目立ちにくい、自分で着脱可能、痛みが比較的少ない、食事の邪魔にならない、歯磨きしやすい、費用が比較的安価な点。適応症例は出っ歯、すきっ歯、受け口、八重歯、がたつきのある歯並び。快適さは◎、治療期間は1~2年。費用の目安は60~100万円(部分矯正の場合10~40万円)。表側矯正(ワイヤー矯正)の特徴は、適応症例が多い、矯正装置が目立つ、痛みや違和感が比較的強い、食事や口腔ケアがしにくい点。適応症例は、出っ歯、すきっ歯、受け口、八重歯、がたつきのある歯並び、歯を大きく動かす必要のある歯並び。快適さは△、治療期間は2年程度。費用目安は60~130万円(部分矯正の場合30~60万円)。裏側矯正(ワイヤー矯正)の特徴は、適応症例が多い、目立ちにくい、費用が比較的高額、食事や口腔ケアがしにくい、口内炎ができやすい、喋りづらい点。適応症例は表側矯正と同様。快適さは×。tiryoukika年程度。費用目安は100~170万円(部分矯正の場合40~70万円)。セラミック矯正の特徴は、治療期間が短い、健康な歯を削る必要がある、神経を取る場合がある、噛み合わせは治療できない、痛みが出ることがある、費用が高額、歯の色も選べる点。適応症例はマウスピース矯正と同様。快適さは◎。治療期間は即日~数ヶ月程度。費用目安は1本あたり8~18万円。

(1)表側矯正(ワイヤー矯正)

ワイヤー矯正の装置を装着している写真。

表側矯正とは、ワイヤーとブラケットと呼ばれる部品を歯の表面につけ、ワイヤーの力によって歯を動かす矯正方法です。

最も歴史のある矯正方法で、多くの矯正歯科で導入されています。

マウスピース矯正では難しい大きく歯を動かす歯並びに適している治療法です。

費用の相場は60~130万円(※部分矯正の場合は30~60万円)で、矯正期間の目安は2年程度です。

表側矯正のメリット・デメリットは以下のとおりです。

すきっ歯の症例

(2)裏側矯正(ワイヤー矯正)

裏側矯正のイメージ画像。歯の裏側(舌側)にワイヤーとブラケットを装着しているため、表からは見えづらい。

裏側矯正とは、歯の裏側(舌側)にワイヤー型の矯正装置をつけ、歯を動かしていく矯正方法です。

表側矯正と比べて高い技術が必要で、他の治療法に比べて費用が高額になりやすい点がデメリットです。

しかし、マウスピース矯正では難しい治療もできる場合が多く、矯正中の見た目が目立たないというメリットがあります。

費用の相場は100~170万円(※部分矯正の場合は40~70万円)で、矯正期間の目安は3年程度です。

メリット・デメリットは以下のとおりです。

マウスピース矯正と比べた場合の裏側矯正のメリットは、適応症例が多い、重度の症例にも対応可能、装着時間の自己管理が不要な点です。デメリットは、費用が高額になりやすい点、痛みや不快感が出やすい点、食事の際に食べ物が挟まりやすい点、定期的な調整が必要な点。

(3)セラミック矯正

セラミック矯正に用いられるセラミックのクラウン(被せ物)

セラミック矯正は、セラミック製の被せ物(人工補綴物)を使って歯並びや歯の色、歯の形を改善させる治療方法です。

ワイヤー矯正やマウスピース矯正とは違い、歯並び自体を変えることはできませんが、短期間で見た目を綺麗に整えることができるのが魅力です。

ただし、健康な歯を削る必要があったり、定期的なメンテナンスが必要な点など、リスクも大きいことを覚えておきましょう。

費用は1本あたり8~18万円と、他の治療法に比べて比較的高額です。

マウスピース矯正と比べた場合のセラミック矯正のメリットは、短期間で見た目を綺麗にできる点、歯の色まで整えられる点、装着時間等の自己管理が不要な点です。デメリットは、費用が比較的高額な点、健康な歯を削る必要がある点、治療後もメンテナンスが必要な点です。

hanaraviは矯正経験豊富な専門歯科医が対応
hanaraviでは、矯正治療の専門知識が豊富な、専門の歯科医師のみと提携しています。
患者さんひとりひとりにあった、最適な矯正計画を提案します。

(4)外科矯正(矢状分割骨切り術など)

ワイヤーやセラミック矯正のほか、手術で骨格を整える外科矯正(矢状分割骨切り術など)があります。

外科矯正は骨格の問題で不正咬合(出っ歯や受け口、口ゴボなど)が生じている場合の治療方法です。

また、外科矯正をおこなった後は嚙み合わせが合わなくなりやすいので、手術後マウスピース矯正やワイヤー矯正を追加でおこなうことも多いでしょう。

外科矯正はダウンタイムが長く、痛みも強く出やすいため心身ともに負担の大きい治療です。

費用は保険が効く場合は30万円程度の自己負担になることが多いですが、保険適用できない場合は高額になりやすい点もデメリットです。

必ず信頼できる口腔外科や歯科医院で治療を受けましょう。

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患者さんひとりひとりにあった、最適な矯正計画を提案します。

6. マウスピース矯正に関するQ&A

マウスピース矯正に関するよくある質問にお答えします。

  • 歯並びの悪さの軽度・重度の基準は?
  • マウスピースが舌に当たると痛いのはなぜ?
  • マウスピース矯正はどれくらいで効果を実感できる?
  • マウスピース矯正は何年かかる?
  • 八重歯はマウスピース矯正で治せない?
  • 前歯だけをマウスピース矯正で治せる?
  • 何歳までならマウスピース矯正できる?

歯並びの悪さの軽度・重度の基準は?

歯並びの悪さの軽度・重度の基準は個々の歯科医師による診断結果に左右されますが、一般的に以下のように分類されます。

  • 軽度:歯並びには少し問題があるものの、機能的な面で大きな問題がない状態。例えば、前歯が少し出ている(出っ歯)場合や歯と歯の間に少し間隔が開いていたり、軽いガタツキがある場合など。

  • 重度:歯並びの悪さが非常に深刻で、マウスピース矯正だけで治療することが難しい場合や外科手術が必要な場合など。噛む、話す、呼吸するなどの基本的な口腔機能に影響を及ぼす場合もある。

上記はあくまで一般的な話なので、具体的な診断は歯科医師の判断によります。

マウスピースが舌に当たると痛いのはなぜですか?

マウスピースが舌に当たって痛いと感じる場合は、縁がギザギザになっていたり、変形して舌側にめくれている可能性があります。

また、マウスピースが浮いている場合もありますが、これはマウスピースが歯にフィットしていくにつれ気にならなくなることが多いです。

不安な場合は、治療をしている歯科医院に相談しましょう。

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不安なことがあればいつでもメディカルチームに相談できるので、安心して矯正をすすめられます。

マウスピース矯正はどれくらいで効果を実感できますか?

効果を実感できるまでの期間は、一般的には2~3ヶ月といわれています。

ただし個人差が大きく、個々の治療の進行具合にもよるのが事実です。

早く効果を実感したい人は、指示された通りにマウスピースを装着し、定期的なチェックを怠らないことが大切です。

また、治療効果を促進する光加速矯正装置(オルソパルス)を利用することで、通常より早く治療を進めることができる可能性もあります。

気になる人は、歯科医院に相談してみましょう。

マウスピース矯正は何年くらいかかりますか?

マウスピース矯正の所要期間は、一般的には1.5年から2年が平均とされています。

下記の表は、マウスピース矯正の期間の目安です。

【マウスピース矯正の目安期間】

 

軽度の場合

中度の場合

重度の場合

期間の目安

数ヶ月~1年

1.5年~2年

2年以上

ただし、矯正する範囲や不正咬合の程度、矯正方法によって期間は変わってきます。

あなたの場合の治療期間を具体的に知りたいなら、一度歯科医院で診断を受けてみることがおすすめです。

八重歯はマウスピース矯正で治せない?

ほとんどの場合、八重歯はマウスピース矯正で治療可能です。

ただし、歯の重なりが大きかったり、奥歯まで動かさないと歯を並べるスペースがない場合、マウスピース矯正の適応外となる可能性があります。

治療できるかどうかは各個人の口腔内の状況や歯科医師の判断によるため、一度歯科医師の診断を受けてみると良いでしょう。

前歯だけをマウスピース矯正で治せる?

前歯だけをマウスピース矯正で治療することは可能です。

ただし、奥歯まで動かさないと前歯が綺麗に並ばないこともあり、その場合はワイヤー矯正の方が適している可能性もあります。

何歳までならマウスピース矯正できる?

マウスピース矯正を含め、矯正治療には基本的に年齢制限はありません。

実際、人数は少ないものの、80歳以上で歯科矯正を受けるケースもあります。

(参考:厚生労働省「患者調査 / 平成29年患者調査 上巻(全国)」)

ただし、年齢が上がるにつれて若年層よりも顎の骨が固くなるため、矯正治療に時間がかかったり、より大きな力が必要になってきます。

また、年齢が上がると歯肉の状態が悪くなっていることも多く、治療が難しいことも多いのが事実です。

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