矯正にかかる期間は平均どれくらい?短期間で矯正できる条件・方法を解説

矯正にかかる期間は平均どれくらい?短期間で矯正できる条件・方法を解説

大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。医療現場で予防の重要性や予防に取り組んでもらうことの難しさを痛感。美容という切り口で本質的な予防につなげる入口として、口腔という臓器に興味を持つ。口腔環境が多くの臓器に影響を及ぼし、多くの病気に繋がってしまうというポイントから予防について新聞・テレビ・WEBメディア等で情報を発信している。
 

矯正を検討している人のなかには「矯正ってどれくらい期間がかかるんだろう?」「矯正方法によって期間ってどれくらい変わるの?」という「期間」について疑問を抱えた人もいるはずです。

そこでこの記事では、矯正全体にかかる期間や、矯正方法による期間の違い、矯正が早く終る人の条件、矯正を早く終わらせるポイントなどについて解説します。

1.矯正にかかる期間

矯正にかかる期間は、トータルで3年~4年半程度です。矯正では、実際に歯を動かすのにかかる「矯正期間」と、動かした歯が安定するまで保定する「保定期間」という2つの期間があります。大人の場合の目安としては、矯正期間は1年〜2年半程度、保定期間は2年程度になります。以下で詳しく説明します。

(1)矯正期間

矯正にかかる期間のうち、実際に歯を動かすのにかかる期間を「矯正期間」といい、その目安としては1〜2年半程度です。

ただ、矯正期間は、もともとの歯並びや目指す歯並び、矯正を始める年齢、使用する矯正器具など、さまざまな要因によって異なります。たとえば、前歯のみ・一本だけなど少ない歯を動かす部分矯正の場合は、6カ月以内に矯正期間が終わることもあります

実際に矯正期間がどの程度必要なのかを知りたい場合には、無料相談などを行っているクリニックで話を聞いてみるとよいでしょう。

(2)保定期間

矯正にかかる期間のうち、動かした歯が安定するまで保定する期間を「保定期間」といい、その目安は2年程度です。

矯正期間に動かした歯は、そのままにしていると元の歯並びへ戻ってしまう現象(これを「後戻り」といいます)が生じます。保定期間では、後戻りを防ぐため「リテーナー」という装置を歯に装着し、歯の保定を行います。

矯正についての知識が少ない人は「保定期間」について見過ごしがちですが、後戻りが生じると矯正費用も無駄になってしまうため注意が必要です。

2.矯正が早く終る人の条件

矯正にかかる期間は、症例や矯正範囲、始めた年齢などさまざまな要因で異なり、比較的早く終るケースも存在します

では具体的にどのような条件だと早く終わるのか、また、なぜ矯正には長い期間が必要なのか、以下で詳しく解説します。

(1)矯正によって歯が動く原理

矯正では、歯に弱い力をかけてゆっくりと動かすため、長い期間が必要になります。その逆に、短期間に強い力で歯を動かすと歯茎や神経にダメージが生じ、歯根(歯の根っこ)が溶けるなど歯の寿命を短くするリスクが増大します。

矯正によって弱い力をゆっくりと加えると、歯と歯を支える骨(歯槽骨)のあいだにある組織(歯根膜)で、骨を溶かす細胞(破骨細胞)と骨を作る細胞(骨芽細胞)の動きが活発になります。そして、徐々に歯を支える歯槽骨の代謝が起こり、同時に歯と歯槽骨のあいだにある歯根膜が元の厚さに戻っていき、結果として歯が動きます。こうした骨の代謝を含むプロセスには一定の期間が必要になるため、矯正には時間がかかるのです。

(2)短期間で済むケース

しかし、一定の期間が必要な歯科矯正でも、短期間で済むケースがあります。以下ではそれぞれのケースを解説します。

①歯を動かす範囲が狭い(部分矯正を行う場合)

矯正には、前歯・一本だけ動かす部分矯正という方法があります。部分矯正を行うと(ケースによって期間にばらつきはありますが)数ヶ月〜1年程度で済む場合もあります。また、マウスピース矯正だとワイヤー矯正よりも比較的短期間で矯正を行うことができます。

なお、嚙み合わせといった歯の機能的な問題も抱えている場合など、奥歯を含めて歯を動かす全体矯正を選択したほうがいいケースもあります。自分にどんな矯正方法・矯正範囲が適切か判断するのは難しいので、歯科矯正専門のクリニック・医師に相談しましょう。

②矯正期間の見た目を気にしていない(表側矯正を行う場合)

後で詳しく解説しますが、ワイヤー矯正には「裏側矯正」と「表側矯正」という2つの矯正方法があります。歯の裏側に矯正装置をつけ、矯正期間の見た目を目立たなくする裏側矯正は、表側矯正よりも長い矯正期間がかかります。見た目を気にしない人は、表側矯正を選択することで矯正期間を短くすることができます

③年齢が若い

上記で説明した通り、矯正では骨の代謝によって歯を動かすため、比較的年齢が若いほうが短い期間で治療が済みます。なお、骨密度も関係しているため、骨密度が高い男性よりも女性のほうが短い期間で矯正ができるといわれています。

④抜歯をしない

矯正治療の際に、歯を動かすスペースがない場合には、抜歯を行ってスペースを作ります。抜歯を行わない矯正の場合は、抜歯を行う場合に比べて歯を動かす距離が短い傾向にあります。そのため抜歯を行わない矯正だと比較的期間が短くなります

3.種類別・矯正にかかる期間

矯正にはさまざまな方法があります。矯正方法によって特徴(メリット・デメリット)や適用症例、予算、期間も異なります。詳細は以下の表のとおりです。

自分に適した矯正方法を選ぶ際には「できるだけ矯正期間を短くしたい」ということも選択基準になるでしょう。以下では、矯正の方法別に「期間」や「特徴」、「どのような人におすすめか」といった点を詳しく解説します。

(1)マウスピース矯正

マウスピース矯正とは、薄く透明なマウスピース型矯正装置によって歯を動かす矯正方法です。

マウスピース矯正には、部分矯正と全体矯正があります。部分矯正だと前歯・一本だけなど狭い範囲を矯正し、およそ5ヶ月〜1年程度の期間で矯正を行えます。値段の相場は10万~40万円程度です。全体矯正だと奥歯も含めた歯列全体を矯正し、1年〜2年程度の期間で矯正を行います。値段の相場は60万~100万円程度です。

透明なマウスピースによって矯正をおこなうので、矯正中の見た目が気になる方におすすめです。一方、マウスピースは着脱可能なため、矯正装置をつけっぱなしのワイヤー矯正に比べて自己管理が必要になるなどのデメリットもあります。

矯正にかかる期間は平均どれくらい?短期間で矯正できる条件・方法を解説

(2)ワイヤー矯正

ワイヤー矯正とは、歯にワイヤー型の矯正装置をつけて歯を動かす矯正方法のことです。矯正期間は2年程度で、目安となる値段は60〜130万円程度です。

大きく歯を動かす必要がある歯並びの方におすすめの方法となります。なお、ワイヤー矯正は、表側矯正と裏側矯正、ハーフリンガル矯正という3つの種類があります。

①表側矯正

矯正にかかる期間は平均どれくらい?短期間で矯正できる条件・方法を解説

表側矯正は、歯の表面に器具をつけるワイヤー矯正です。

多くの歯並びに対応しており、矯正期間はおよそ2年程度、費用の目安は60万円〜100万円程度です。

歯の表面につける器具や使用するワイヤーは従来の金属のものに加えて、白いセラミックの器具やホワイトワイヤーなどもあります。

矯正にかかる期間は平均どれくらい?短期間で矯正できる条件・方法を解説

②裏側矯正

矯正にかかる期間は平均どれくらい?短期間で矯正できる条件・方法を解説

裏側矯正は、歯の裏側に器具をつけるワイヤー矯正です。

表側矯正に比べると、選択できる症例には限りがあります。矯正期間はおよそ3年程度で、値段の目安は100万円〜170万円程度になります。

器具を歯の裏側につけるために技術が必要なため、1回の診療時間は長くなり、技術料も必要になります。ワイヤー矯正中の見た目が気になる方におすすめの方法です。

矯正にかかる期間は平均どれくらい?短期間で矯正できる条件・方法を解説

③ハーフリンガル装置

ハーフリンガル装置は、上の歯は裏側矯正、下の歯は表側につけるワイヤー矯正です。

上の歯の並びによっては選択できず、矯正期間はおよそ2年半程度で、値段の目安は80万円~150万円程度になります。

見た目が気になる上の歯だけ裏側矯正を行い、かつ全体の費用を抑えたい方におすすめの方法です。

矯正にかかる期間は平均どれくらい?短期間で矯正できる条件・方法を解説

(3)その他さまざまな矯正方法について

上記で説明した矯正方法の他にも、マウスピース矯正、ワイヤー矯正を組み合わせる方法もあります。また、短期間で見た目を整えることができるセラミック矯正(※注1)や、成長期にかけておこなう小児矯正などもあります。

※注1:セラミック矯正は、歯を動かす矯正ではなく歯を削り被せものを装着する補綴治療になります。

4.矯正を早く終わらせる方法

上記のほか、矯正を早く終わらせるためのさまざまな技術や装置があります。以下では、代表的なものをいくつか紹介していきます。

自分の症例に適しているか、こうした技術や装置が導入されているかはクリニックによって異なるので、はやく矯正を終わらせたい人は確認してみるとよいでしょう。

(1)オルソパルス

オルソパルスは、マウスピース矯正専用の医療機器になります。

オルソパルスは一日10分、近赤外線の光をお口の中に当てることで、歯の周囲の組織を活性化させ、歯の動くスピードを早める機器です。使用していない時に比べて、矯正治療の期間を最大67%短縮することができると言われています。

(2)アンカースクリュー

アンカースクリューとは、人体に影響のない小さいネジを骨に打ち、矯正の固定源とすることで、歯を動かす仕組みのことです。アンカースクリューを使用することで、従来では難しかった難症例でも矯正をすることが可能となり、また、アンカースクリューから追加の矯正力を得られるため、効率的に矯正をおこなうことが可能になります。

(3)セルフライゲーションブラケット

セルフライゲーションブラケットとは、ワイヤー矯正の際に歯につけるブラケットの1つです。従来のブラケットと異なり、ブラケットにワイヤーを縛り付けることがなく、装置とワイヤーの摩擦がすくないため、少ない力で持続的に矯正力を働かせることができます。

症例のケースによっては、治療期間を短く、通院回数を少なくすることができる可能性があります

(4)セラミック

セラミック矯正は、歯を動かすのではなく、歯を削ってセラミックの被せものを装着する補綴治療になります。歯を削ったその日に仮歯が入るので、治療当日に歯並びを改善することができます。

ただ、セラミック矯正は、健康な歯を削る、場合によっては歯の神経の治療をおこなう必要があるため、歯の健康を阻害するデメリットがあります。そのため導入しないクリニックも少なくありません。しかし、歯並びだけではなく、歯の形や色を変えられるというメリットもあります。

(5)コルチトミー

コルチトミーは、別名「歯槽骨皮脂骨切除術」といい、矯正をおこなう歯の骨に切り目を入れることでワイヤー矯正のスピードを早くする外科手術です。歯の土台となる骨の表面が回復するタイミングに合わせて歯を移動することで、通常よりも早く歯を移動することが可能です。

5.矯正期間に関するよくある疑問

矯正期間については専門的な内容なので多くの方が疑問を抱えていらっしゃると思います。

以下では、よくある質問について答えていきますので参考にしてください。

(1)大人と子供で矯正期間は異なる?

矯正期間は子供と大人では、子供の方が短い傾向にあります

実際にどの程度、期間が異なるのかは、矯正を行う年齢や方法によってことなるのですが、子供は成長期に合わせて治療をおこなえること、骨が大人に比べて柔らかく歯が動き安いこと、が理由です。

また小児矯正では、ワイヤー矯正やマウスピース矯正と違い、顎の成長をコントロールしながらおこなう矯正方法もあります。

(2)矯正期間を短くするために努力できることは?

矯正期間を短くするためには以下のようなことに気を付けましょう。

矯正装置の装着時間を守る

マウスピース矯正の場合、一日につける時間が決まっていますので、装着時間を守るようにしましょう。

守らない場合には、計画通りに矯正が進まず矯正期間が長くなってしまう可能性があります。

保定期間に気をつける

矯正期間が終わり、歯並びが整ったからといって終わりではありません。

歯並びが戻らないように、歯科医師の指示通りリテーナーを装着しましょう。後戻りが生じると、再度矯正を行わなければならなくなるため、結果として矯正期間が伸びてしまいます。

歯の衛生状況に気をつける

矯正期間は、しっかりと口腔ケアを行うようにしましょう。矯正期間中にむし歯や歯周病になってしまうと、治療を優先しなくてはいけないため、矯正治療を一時中断しなくてはなけない場合もあります。

6.短期間でのマウスピース矯正ならhanaravi(ハナラビ)

この記事では、矯正の期間についてお伝えしてきましたが、短期間でのマウスピース矯正ですと、hanaraviがおすすめです。

hanaraviでは、症例にもよりますが、軽度な歪みたガタつきを治すBasicプランですと5~7ヶ月程度で終了します。また、通院回数も最低限(平均1.3回)とお仕事などで忙しい方でも無理なくすすめることができます。

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  • 「定額制」で余計な費用負担ナシ
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