大人の歯科矯正は危険?その5つの理由とリスク回避の方法を解説

大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。医療現場で予防の重要性や予防に取り組んでもらうことの難しさを痛感。美容という切り口で本質的な予防につなげる入口として、口腔という臓器に興味を持つ。口腔環境が多くの臓器に影響を及ぼし、多くの病気に繋がってしまうというポイントから予防について新聞・テレビ・WEBメディア等で情報を発信している。
 

大人になってから歯科矯正を始める人が増えていますが、適切に行われない歯科矯正にはもちろんリスクもあります。

この記事では、大人になってから歯科矯正を始めたい人へ向けて、考えられる危険性とその回避方法について解説します

1.歯科矯正は危険?考えられるリスクとその原因

まずは、大人の歯科矯正が危険といわれる理由を事例とともに紹介します。

(1)歯の根元が短くなる「歯根吸収」

「歯根吸収」とは、歯の根元である「歯根」が短くなり、抜けやすくなってしまう現象のことを指します。

通常の歯科矯正で起きる歯根吸収はごくわずかで、歯に大きな影響を及ぼすことはありませんが、矯正器具で歯に強い力をかけすぎてしまったり、何度も矯正をやり直すなど、時間をかけすぎてしまったりすると、歯根吸収が大きくなり、歯がグラグラしてしまうリスクが高まります。

(2)歯ぐきが下がる「歯肉退縮」

歯の根元を覆っている「歯ぐき(歯肉)」の位置が下がってしまうことを「歯肉退縮」といいます

歯の根元が表面に出てしまうことで、知覚過敏の原因となったり、また虫歯や歯周病のリスクを高めてしまいます。

歯肉退縮は、歯根吸収同様に歯に強い力をかけすぎてしまった場合にも起こりますが、歯磨きのブラッシングが強すぎる等ほかの原因によっても起きることがあります。

(3)歯科矯正中の痛み

大人の歯科矯正が危険と言われる要因の2つ目は、矯正中の痛みが強く出てしまう可能性のあることです。

子どもの歯はまだ柔らかく、動かしやすいため、歯科矯正の痛みは大人よりも少ないとされています。しかし、年齢を重ねるにつれ歯は硬くなっていくため、大人の歯は動きにくく歯科矯正中に痛みが強く出てしまう傾向にあります。

そのため大人の歯は動かすのに時間がかかり、歯科矯正の期間も子どもより長くなるのが一般的です。日本臨床矯正歯科医会によると、ごく一般的な矯正装置マルチブラケットによる矯正は、平均2〜3年かかるとしています。20歳以降の大人では、3年前後かかることも多くあります。

(4)虫歯ができやすくなる

大人の口の中には子どもよりも細菌が多く、300〜700種類もの細菌が生息していることが特徴です。
歯をよく磨く人と磨かない人でも細菌数は異なります。

矯正器具の隙間は歯磨きしにくく、虫歯の原因となる細菌が繁殖しやすくなることも、大人の歯科矯正は危険と言われる理由の1つです

歯科矯正する前と同じ磨き方をしていたり、歯磨きをさぼったりしてしまうと虫歯ができやすくなります。場合によっては、タフトブラシや歯間ブラシを利用する必要があります。

2.大人の歯科矯正の危険性を回避するために重要な「医師選び」

上記で紹介してきたリスクを抑えるために最も重要なことは、きちんと専門的な知識を持った歯科医師を選ぶことです。

安全・かつ効果的に歯科矯正を行うには、専門の知識と経験が必要です。矯正の経験のない歯科医師に依頼すると、患者の状態にあった治療をうまくたてることができず、結果として「歯根吸収」や「歯肉退縮」のリスクを増やしてしまったり、強い痛みが出てしまったりします。

この章では、適切な歯科医を選ぶためのポイントについて解説していきます。

また、専門知識を持つ歯科医師へ相談したい場合におすすめするのが、マウスピース矯正サービスのhanaraviです。

実際に歯科矯正を行ってきた経験豊富な医師のみが所属しており、あなたにあった矯正計画をサポート。

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(1)治療前に気をつけるポイント

・治療方法を検討する

歯科矯正の治療方法にはさまざまな種類が存在し、それぞれメリットとデメリットがあります。メリット・デメリットを理解せず治療方法を決めてしまうと、前述の危険な事例にいたってしまう可能性もあるため気をつけましょう。

治療方法のメリットとデメリットは、次の表のとおりです。

治療方法 メリット デメリット
ワイヤー矯正(表側矯正) ・金属ではなくクリア素材も選べるので目立ちにくい

・さまざまな事例に対応できる

・目立ちにくいクリア素材は高価

・痛みが出やすい

・自分では取り外せない

裏側矯正 ・ワイヤーが表に出ないため目立たない ・表側のワイヤー矯正と比較して高価

・自分では取り外せない

・強い力で引っ張るため痛みが出やすい

マウスピース矯正 ・透明素材のため目立ちにくい

・自分で取り外せるため衛生的

・口の中を傷つける心配がない

・歯をゆっくり動かすため比較的時間がかかる

・着用方法や着用時間を守る必要がある

・マウスピースの洗浄も必要

大人の歯科矯正で危険な事例にあった「歯の痛み」は、ワイヤーを通して引っ張り歯を動かすワイヤー矯正で起こりやすい症状です。マウスピース矯正は、マウスピースをはめてゆっくり歯を動かすため、比較的強い痛みは起こりにくいと考えられています。

また、ワイヤー矯正は金属が歯ぐきに当たって傷になったり、金属アレルギーで口の中が荒れたりするケースもあります。しかしマウスピース矯正は、比較的柔らかい素材のマウスピースを使うため、金属で口の中が傷つく心配はありません。

・治療クリニックとの相性を見極める

治療方法も大人の歯科矯正を成功させる重要なポイントですが、治療を受けるクリニックとの相性も大切です。歯科医師やスタッフと意見が合わなかったり、予約が取りにくかったりすると治療は継続できません。

また、たとえば、被せ物やブリッジがある人は、前述したように治療工程が多くなり、必然的に歯科医師とコミュニケーションを取らなければいけない時間も増えます。歯科医師と相性が悪く、相談するのが億劫だと、思わぬトラブルを招きかねません。

まずは、カウンセリングでクリニックの治療方針やスタッフや歯科医師の雰囲気をみて、自分に合っているか確認するのがよいでしょう。クリニックのなかには、無料カウンセリングを実施しているところもあります。

カウンセリングでは、予約の取りやすさや費用の明確さも確認しましょう。大人の歯科矯正は時間がかかったり、思わぬトラブルが起こったりすることもあります。その際、追加料金が発生するケースもあるため、事前に治療費を確認しておくことが重要です。

(2)治療中に気をつけたいこと

次に、治療中に気をつけるべきことを紹介します。歯科矯正の治療を始めたら、治療が終わるまで継続しないと歯並びは改善しません。

特に大人の歯科矯正は数年単位の治療になるため、途中でトラブルが起こる可能性もあります。トラブルを危険な事例へ発展させないために、早めの対処が必要となります。

・困ったときは担当の歯科医師にすぐ相談

歯科矯正の治療中に、痛みを強く感じたときや矯正器具に不具合が生じたときなど、困ったことはすぐに担当の歯科医師へ相談しましょう。「ちょっとしたことだから我慢しよう」と相談しないと、より大きなトラブルへ発展してしまう可能性もあります。

治療中にありがちな悩みで、歯科医師に相談した方がよいものは次のとおりです。

  • 痛みが強い
  • ワイヤーが飛び出ている、あるいは折れた
  • 矯正器具がずれているように感じる
  • 虫歯の痛みがある
  • 歯ぐきが腫れている
  • 歯と矯正器具の間に食べ物が挟まってしまった

矯正器具の不具合はもちろん、歯や口の中に痛みがある場合もすぐに歯科医師に相談しましょう。また、食べ物が矯正器具に挟まって取れなくなってしまった場合、そのままにすると虫歯になって歯科矯正が予定通りに進まないケースもあります。

気になることがあれば担当の歯科医師に相談し、早めに対処するとトラブルを防げます。

hanaraviでは、LINEによる無料相談をサポート。24時間体制で相談を受け付けています。

・セルフケアも怠らないように

大人の口の中は、子どもの口の中よりも細菌が多く虫歯になりやすいため、歯科矯正の際はセルフケアも大切です。セルフケアの方法も、治療方法によって異なります。

ワイヤー矯正の場合は歯ブラシの当て方に注意し、磨き残しがないようにしましょう。

しかし矯正器具の位置によっては、どうしても磨きにくい部分があります。その場合は、歯間ブラシやタフトブラシを使うのがおすすめです。タフトブラシとは、先端がL字をした小さな歯ブラシで、矯正器具の隙間を磨くのに向いています。

マウスピース矯正の場合は、毎日マウスピースのケアを怠らないようにしましょう。マウスピースも歯と同じように、歯ブラシで磨いて食べ物が挟まっていることのないようにします。

(3)治療後に気をつけたいこと

歯列養成の治療後に気をつけたいのは、後戻りです。後戻りとは、歯科矯正のあとに歯が元の位置に戻ってしまうことを指します。完全に元に戻ることはなくても、整った歯並びが崩れてしまうため、後戻りしないようなケアが必要です。

後戻りを防ぐには、リテーナーと呼ばれる器具を装着します。リテーナーは歯科矯正で整えた歯並びを維持するために装着する金属あるいは、マウスピース型の装置です。

「面倒くさいから」「別料金だと聞いたから」といった理由でリテーナーを使わないと、せっかくきれいになった歯並びが崩れてしまう原因になります。

3.大人の歯科矯正に関するご相談はhanaravi

hanaravi4つのポイント

大人の場合、歯が硬かったり虫歯の治療跡があったりすることが原因で、歯科矯正は危険と言われるケースもあります。

しかし、必ずしもすべての人にとって危険なわけではなく、きちんと対処すれば危険を回避できます。自分に合った治療方法やクリニックの選択、セルフケアが重要です。

hanaraviは、マウスピース矯正による大人の歯科矯正に対応しています。無料相談を実施しているため、クリニックの雰囲気や歯科医師との相性を確かめたいときにも便利です

また困ったことがあれば、LINEアプリを利用して、すぐにクリニックのメディカルチームに相談できます。「ちょっとしたこと」と思っていても、大きなトラブルになってしまう可能性もあるため、LINEアプリから気軽に相談できるサービスがあると安心です。

大人になってからの歯科矯正は危険と聞いて悩んでいた…という方は、ぜひhanaraviにご相談ください。

監修歯科医師のご紹介
セレスタ麻里子(歯科矯正医師)

セレスタ麻里子
(矯正専門歯科医師 渋谷F&B矯正歯科・東京

神奈川歯科大学歯学部卒。神奈川歯科大学歯学部歯科矯正学講座。日本矯正歯科学会。歯科矯正で15年のキャリアを持ち、ワイヤー矯正(表・裏)だけでなく、マウスピース矯正も専門とする。

監修医師のご紹介
各務康貴(歯科矯正医)

各務 康貴(医師)

大分大学医学部卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事。若年層に予防や多くの臓器にアプローチするため口腔環境に興味を持ち、マウスピース矯正hanaraviを手掛ける株式会社DRIPS創業。