八重歯は叢生の一種ですが日本では、「愛嬌がある」、「親しみやすい」、「小悪魔的」などチャームポイントとして好意的に捉えられることがあります。
しかし、欧米などの外国ではダブルトゥースやヴァンパイヤトゥースなどと言われ、子どものうちに矯正することがほとんどです。
この記事では、八重歯になる原因や治療方法について詳しく解説します。
目次
八重歯は叢生の一種

八重歯は叢生(そうせい)と呼ばれる不正咬合の一種類に含まれます。不正咬合は、噛み合わせや審美的に悪い歯並びのことをいいます。
叢生は、上の歯の前から3番目の犬歯(糸切り歯)が、両隣の歯よりも前に出ている状態で、日本人の不正咬合の中でも多い歯並びと言われています。
不正咬合の種類はさまざまあり、上あごが下あごより出ている「出っ歯」や、下あごが上あごより出ている「受け口」、歯と歯の間に隙間がある「すきっ歯」、奥歯は噛み合うけれど前歯が閉じない「開咬」、噛み合わせが深く、上の前歯が下の前歯を覆い隠してしまう「過蓋咬合」などいろいろあります。
八重歯になる原因は

八重歯のある日本人は多いですが、八重歯になる原因はいくつかあります。
歯とあごの大きさ
あごが小さく永久歯がすべて並んで生えるスペースがない場合、八重歯になります。日本人は欧米人に比べてあごが小さい人が多いため、八重歯の人も多くいます。
骨格は遺伝的な要因もありますが、幼少期にものをよく噛んで食べる習慣がなかったり、硬いものをあまり食べなかったりするとあごが未発達になる場合もあります。
食生活が欧米化して柔らかいものを食べる機会が増えていることもあり、あごをよく使わないまま成人する人も少なくありません。
また、あごの大きさは普通でも歯が平均より大きいと、八重歯になりやすい傾向があります。
乳歯が早く抜ける
永久歯の犬歯は、もっとも遅く生えてくる特徴があります。奥の乳歯が虫歯などで早く抜けてしまうと、奥歯の永久歯が前の方に移動して生えてくる場合があり、犬歯の生えるスペースがなくなってしまいます。
また、犬歯の位置に生えている乳歯がなかなか抜けなかった場合も、永久歯の犬歯がずれた場所に生える可能性が高くなります。
八重歯を放置すると

噛み合わせが悪くなく普段の生活に支障を感じない場合、八重歯をそのままにする人もいますが、治療せず放置した場合さまざまな影響が出ることがあります。
虫歯になりやすい
八重歯は隣の歯と重なり合って生えています。そのため、歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなどが届きにくい箇所があり、食べかすや歯垢が溜まって虫歯や歯周病になりやすい傾向にあります。
虫歯や歯周病によって歯の健康寿命が短くなるため、長く自分の歯が使えなくなってしまう恐れがあります。
噛み合わせが悪く口の中を傷つけやすい
本来犬歯は歯の中でも深く噛み合う歯ですが、八重歯になると噛み合わせが悪くなります。
噛み合わせが悪いと食べ物をしっかり噛みきれないまたは咀嚼できないばかりか、一箇所の歯に不自然に圧力がかかったり、あごの関節に負担がかかったりします。
また、尖っている歯のため咀嚼するときに口の中を傷つけてしまう場合があります。
八重歯は見た目がそれほど気にならない、または普段噛み合わせで不自由がないからと放置しておかず治療した方がいいでしょう。
八重歯の治療法は?

八重歯を直すときは歯列矯正の治療を行います。
矯正の方法はいくつかあり、以下の表のとおり、それぞれ適応症例や治療期間、費用が異なります。
歯並びの状態や、生活スタイルなどに合わせて歯科医師と相談して最適な矯正方法を選びましょう。
以下では、ワイヤー矯正とマウスピース矯正のメリット・デメリットについて解説します。
ワイヤー矯正
従来のワイヤーを使った矯正です。ブラケットという装置を歯の表面に装着してそこに通したワイヤーで歯に圧力をかけて矯正する方法です。
ワイヤー矯正のメリット
矯正治療は保険が適用されません。すべて自費になるので、矯正治療が終了するまでに60万円〜100万円以上かかる場合もあります。
しかし、ワイヤー矯正の中でも金属のブラケットとワイヤーを使った矯正は他の歯列矯正の治療に比べて比較的安い費用で矯正が行えます。
また、ワイヤー矯正はほとんどすべての不正咬合に適応しています。他の矯正治療法では難しいと言われた歯並びでもワイヤー矯正で治せる場合があります。
ブラケットやワイヤーは歯の表側に装着するので、矯正治療で滑舌が悪くなったり話しにくかったりというトラブルは少ないです。
ワイヤー矯正のデメリット
ワイヤー矯正のデメリットは、口を開くとブラケットやワイヤーなどの装置が見えてしまうところです。
矯正治療期間中の見た目が変わってしまうため、精神的な負担を感じる人も多く、それが理由でワイヤー矯正の治療をためらったり諦めてしまう人もいます。
しかし、ブラケットを透明なプラスチックやセラミックなどの素材にしたり白いワイヤーを使う方法もあり、こちらの方が目立たずに治療ができます。
また、どうしても表側に装置をつける矯正はいやという人は、歯の裏側にブラケットやワイヤーを通す裏側矯正も選べます。
しかし透明なブラケットや裏側矯正は、表側の金属を使った矯正法よりも費用が高くなります。
またワイヤー矯正は、治療の初めのうちは話づらい、口を閉じにくいといった不便さを感じる人も多くいます。口内炎ができたり、口の中が傷ついたりすることもあります。
さらにブラケットやワイヤーの間に食べかすが詰まりやすく虫歯や歯周病になりやすいので、定期的な検診が欠かせません。
マウスピース矯正
自分の歯型に合わせてマウスピースを作り、歯に装着して治す方法です。審美的に優れている点や比較的安価なシステムがあることから最近マウスピース矯正を選ぶ人も増えてきました。
マウスピース矯正のメリット
マウスピースが透明なので、目立ちにくく周りの人に矯正していることが分かりにくいのが大きな特徴です。
マウスピースは2週間に一度、新しいものに取り替えて装着するため衛生的に使えます。
また、食事や歯磨きのときはマウスピースを外せるので今まで通り食べたいものを食べられます。
歯磨きや歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使ってしっかり歯も磨けるので、治療中の虫歯や歯周病のリスクも減らせます。
マウスピースを自分で装着して歯を動かしていくので、ワイヤー矯正よりも矯正治療期間中の通院は少なくて済み、料金も抑えることが出来ます。
ただ、歯並びによってマウスピース矯正の費用は異なるため、まずは相談から行ってみましょう。
マウスピース矯正デメリット
マウスピース矯正は、すべての歯並びの歯列矯正に適しているわけではありません。歯並びの状態によっては、マウスピース矯正ができない場合があります。
また、マウスピース矯正は一日約20時間〜22時間装着する必要があります。
食事と歯磨き以外はつけていないと、治療の効果が出なかったり、治療期間が伸びてしまったりする場合があります。
さらに正しく装着ができない場合も効果がありません。患者の自己管理がとても重要になる治療法です。
着脱が自由にできるのでマウスピースを失くしたり破損してしまうことがあります。
マウスピースは常に装着していないと治療効果がありませんから、すぐに作らなければいけません。追加の費用がかかってしまいます。
まとめ

八重歯は日本人の歯並びにありふれた症例ですが、特に支障がないように感じてもなるべく歯列矯正して治した方が噛み合わせがよくなったり、虫歯や歯周病などのリスクを減らせます。八重歯を治す場合、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などの歯列矯正の治療を行います。
ワイヤー矯正は、幅広い歯並びを矯正することができ比較的治療費を安く抑えることができます。また、マウスピース矯正は透明で目立たないので、接客業などの仕事の人も行えます。歯並びの状態や、生活環境、予算なども合わせて歯科医師と相談して最適な矯正法を選びましょう。
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