リテーナーで歯の後戻りは改善できる?矯正との違いも詳しく解説!

大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。医療現場で予防の重要性や予防に取り組んでもらうことの難しさを痛感。美容という切り口で本質的な予防につなげる入口として、口腔という臓器に興味を持つ。口腔環境が多くの臓器に影響を及ぼし、多くの病気に繋がってしまうというポイントから予防について新聞・テレビ・WEBメディア等で情報を発信している。
 

歯列矯正をして歯並びを整えても、治療が終わって何もしていないと歯は後戻りしてしまいます。せっかく高額な治療費をかけて矯正しても、その後のメンテナンスが悪いと再度矯正の治療が必要になってしまうことも。リテーナーの必要性と矯正の違いについて解説します。

歯の後戻りとは

歯列矯正は、「歯を動かしたら終わり」と思っている人も多いのではないでしょうか。

矯正装置を使って歯を動かす「動的治療」が終わったあとには、リテーナーという器具を装着して動いた歯を固定する「保定期間」という期間があります。

ワイヤー矯正やマウスピース矯正で歯を動かして理想的な位置に整えたら、次はリテーナーを装着して歯並びを固定しなければいけません。リテーナーを使わないでいると歯は後戻りしてしまいます。

矯正治療後半年ほどの間は、歯の骨の部分が固まっておらず、非常に不安定です。リテーナーで固定しないと歯が元の位置に戻ろうとしてしまい、せっかく整えた歯並びがずれてきてしまいます。リテーナーを半日または1日つけないだけで、リテーナーが浮いて合わなくなってしまうこともあります。

矯正装置とリテーナーの違い

矯正装置とリテーナーの違いを明確にしておきましょう。それぞれの役割がわかればリテーナーの必要性に気づきます。リテーナーは歯を固定するもの。矯正装置は歯を動かすものです。

歯を動かすのが矯正

ワイヤーやブラケットなどの装置を使ったり、マウスピースを使って歯を動かす治療です。歯並びにより治療期間は変わりますが、2年〜3年ほどかかります。

矯正の種類はいくつかあり、歯並びの状態や審美性、費用など総合的に自分にあった方法を選びましょう。いくつかの歯科医院でカウンセリングを受けることをお勧めします。

表側矯正

歯の表面にブラケットという装置とワイヤーを当てて歯を動かします。一般的な矯正治療法です。ほとんどすべての歯並びを治療できます。しかし、表側なので口を開けるとブラケットやワイヤーが見えてしまいます。

金属のブラケットやワイヤーは、丈夫で費用が比較的安く済みますが審美性は低いといえます。透明なプラスチックやセラミックの素材のブラケットや白いワイヤーもあり、これらを使うと矯正装置が目立たなくなります。費用は、歯科医院にもよりますが、金属のワイヤー矯正よりも多少高く設定されている場合が多いでしょう。

裏側矯正

歯の裏側にブラケットとワイヤーをつけて矯正する方法です。矯正していることが周囲の人にはわかりません。矯正装置が見えてしまうのが精神的負担になる人や、サービス業の人などにもお勧めです。

費用は、表側矯正の約1.5倍ほどかかると言われています。また表側矯正よりも難しい治療になるので、技術と経験のある歯科医師に依頼する必要があります。

マウスピース矯正

透明なマウスピースをはめて歯を矯正する方法です。透明なので、こちらも審美性に優れています。また、ワイヤー矯正と違い、着脱が自由にできる点もメリットです。

ただし、1日20時間以上装着していないと治療期間が長くなったり、歯がきちんと動かなかったりします。患者の自己管理が問われる矯正方法です。

リテーナーで歯を安定させる

歯並びが整って矯正装置を外したら、リテーナーをつけます。リテーナーは取り外しができるものが多く、いくつも種類があります。患者の希望や歯並びの様子を見ながら医師が選んでくれます。

患者が取り外しできるものが多いですが、なかには固定して長くつけるリテーナーもあります。固定するタイプは、ワイヤー矯正と同じように、歯垢がたまりやすく虫歯や歯周病になりやすいので、保定期間中もしっかりオーラルケアをし、定期的に歯科医院で検診を受ける必要があります。

リテーナー作成は、多くの歯科医院で矯正治療の費用に含まれています。

ベッグタイプ

よく使われるリテーナーで、歯全体をワイヤーで囲んで固定します。ワイヤーは締め付けられるようになっています。取り外しができるタイプです。

ホーレータイプ

ワイヤーで前歯をしっかり固定するリテーナーです。取り外し可能で、ワイヤーが白色や透明のものもあります。

マウスピースタイプ

透明なマウスピース型のリテーナーです。目立たず装着していることがわかりにくいタイプ。取り外しができます。しかし、薄いので破損しやすいデメリットがあります。また、上下の歯が直接触れないため、噛み合わせの調整には向いていないリテーナーです。

リテーナーの装着期間

保定期間は短くても2年ほどと言われています。矯正治療期間と同程度の期間、リテーナーの装着が必要です。また、保定期間中も通院があります。矯正治療が終わってから半年ほどは、1か月に一度、歯の状況を見ながら、2〜3か月に一度、4か月に一度、半年に一度と少しずつ通院の間隔が空いていきます。

通院してリテーナーの調整をしたり、口腔内をチェックしてもらう処置料は、矯正治療の費用に含まれていない場合が多いでしょう。

保定期間の通院が終了してもなるべくリテーナーをつける習慣を続けると、整った歯並びを維持できます。リテーナーの装着時間や期間は、歯科医師が指示してくれるので必ず守りましょう。

1日20時間

リテーナーの1日の装着時間は、最初の半年は最低でも20時間装着が必要です。食事と歯磨き以外は、つけているようにしましょう。矯正装置が外れて、見た目の歯並びがきれいになって気が緩んでしまう人が多くいますが、リテーナーをつけなかったり、装着時間が短いと歯の後戻りを招いてしまいます。

必ず装着時間は歯科医師の指示を守りましょう。装着時間は徐々に間隔が空き、短くなっていきます。最終的には夜寝るときだけで済むようになっていくので、リテーナーを装着する習慣をつけ、きれいな歯並びを維持しましょう。

リテーナーで後戻りは改善できる?

もしもリテーナーをつけない期間が長くなり、歯の後戻りが起こってしまった場合、リテーナーをつけても歯並びの改善は見込めません。リテーナーはあくまで、歯を固定するための装置で、歯を動かすためのものではないので、後戻りしてから装着し続ければ、それ以上歯が動くことを止めることはできるかもしれません。

しかしリテーナーが合わなくなるくらい歯が動いてしまっていると、リテーナーの装着ができなくなったり、歯型に合わないため喋りづらいなどのトラブルが起きる可能性もあります。

歯が後戻りしてしまったら、なるべく早く歯科医師に診てもらう必要があります。

歯が後戻りしないために

歯の後戻りを防ぐためには、歯科医師の指示通りリテーナーをつける必要があります。またリテーナーを紛失したり破損してしまった場合は、すぐに再作成しましょう。リテーナーをつけない時間が長くなるほど歯が動いてしまいます。

まとめ

リテーナーは、矯正治療後に歯並びを安定させるために必要不可欠な装置です。矯正期間と同じくらいの期間、装着が必要ですが、患者自身で取り外しができるものが多く、食事や歯磨きのときは外せるので、日常生活にそれほど支障は感じないでしょう。

しかし、矯正治療終了後の半年は特に歯が動きやすい時期なので、リテーナーを歯科医師の指示通り装着する必要があります。さぼってしまうと歯が後戻りするので注意しましょう。後戻りしてしまったら、リテーナーで改善することはできません。なるべく早く主治医に相談してください。

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