「出っ歯」とは、前歯が出ている・または出ているように見える状態のことです。
日本人に比較的多いのが特徴で、バードフェイス(鳥貌)と呼ばれることもあります。
実は、出っ歯には2種類あるのをご存知でしょうか。
この記事では、出っ歯の種類と治療方法についてご紹介します。
出っ歯でお悩みの人は、参考にしてみてくださいね。
目次
出っ歯とは|骨格性上顎前突と歯槽性上顎前突

出っ歯とは、上顎の前歯が前に突き出たように生えている状態・またはそのように見えることをいいます。
日本人の12.9%が出っ歯であると言われており、不正咬合(悪い歯並びのこと)の中で2番目に多い割合を占めています。
つまり、10人に1人以上の割合で出っ歯の人がいるということです。
そんな「出っ歯」ですが、骨格性上顎前突と歯槽性上顎前突の2種類あるのをご存知でしょうか。
以下でそれぞれ説明していきます。
1.骨格性上顎前突(骨格に問題がある出っ歯)
骨格性上顎前突は、日本人に最も多くみられる症例です。
上顎の骨が過剰に成長をしていたり、下顎の成長が抑制されている場合になりやすいのが特徴です。
これらの骨格上の問題で、上顎が前方へ突出しているように見えてしまいます。
「歯並びに問題はなさそうなのに、出っ歯に見える」という場合、この骨格性上顎前突に当たる可能性が高いです。
骨格だけでなく前歯自体も傾いてしまっている場合も多く、次に挙げる歯槽性との併発型の人もいます。
2.歯槽性上顎前突(歯並びに問題がある出っ歯)
このタイプは骨格の不正ではなく、前歯の傾斜によって前歯が突出してしまうタイプです。
下の歯列との間に隙間ができやすいので、口腔内が乾燥しやすくなってしまうデメリットもあります。
その隙間を舌で塞ごうとすることで、前歯の突出を助長してしまうこともあります。
唾液には本来、口腔内の汚れを洗い流して清潔に保つ作用があります。
そのため、口腔内が乾燥してしまうと虫歯や歯周病の原因になることもあるので要注意です。
また、乾燥により口腔内で雑菌が繁殖することで口臭の原因になってしまうこともあります。
前歯が出ていることにより、不慮の事故などで上顎の前歯をぶつけるケースも多く、外傷で歯を失ってしまうことも珍しくありません。
ただ、骨格性の場合の矯正と比べると比較的治療は簡単にできることが多いです。
出っ歯の3つの原因
では、なぜ出っ歯(上顎前突症)になってしまうのでしょうか?
原因は、大きく分けて3つあります。
遺伝
出っ歯の原因のひとつは、遺伝の影響です。
顎の大きさや骨などは、遺伝の影響を受けやすいためです。
遺伝は習慣や癖などとは違い、本人の努力ではどうすることもできません。
また、上下の骨のバランスが悪いことで、出っ歯になってしまうケースがあります。
上顎の骨に異常はなくても下顎の骨の成長が不足してしまっている場合は出っ歯となってしまうことがあるため、上下顎のバランスも重要になってきます。
癖
乳幼児期に長期間「指しゃぶり」が癖になってしまっていたりすると出っ歯になってしまう可能性があります。
歯は指で動かそうとしても簡単に動くものではありませんが、同じ力を長期間加え続けると位置がずれやすくなってしまいます。
そのため、お子さんの指しゃぶりの癖は早めに直してあげたほうが良いでしょう。
また、舌を前に突き出す舌突出癖があることでも、長期間前歯を押し出すことによって出っ歯になってしまうことがあります。
爪を噛む癖がある人も要注意です。
爪を噛む時に口を前に突き出して前歯に力を入れながら噛むため、上下の顎のバランスに悪影響を及ぼしてしまいます。
前歯を前に押し出して出っ歯になってしまったり、すきっ歯になるリスクがあります。
口呼吸
出っ歯の原因として、口呼吸も挙げられます。
舌の位置は、上顎の歯列内に収まっている状態が正常です。
しかし、口呼吸が癖になってしまうと、舌が下がってしまいバランスが崩れてしまいます。
すると、唇の筋力が弱り舌の筋力に負け、舌の筋肉に歯が押し出されて出っ歯になってしまうリスクがあります。
口呼吸は、出っ歯だけでなく「乱ぐい歯」(ガタガタの歯並びや八重歯のこと)や「開咬」(上下の前歯に隙間ができて閉じないこと)などの不正咬合の原因にもなり、顔つきにも影響が出てしまう可能性もあります。
口呼吸が癖になってしまっている自覚がある場合は、寝ている時に使用する「鼻呼吸促進テープ」というテープを使用して習慣の改善を試みることをおすすめします。
合わせて口輪筋をトレーニングするとなお良いでしょう。
出っ歯の最適な治療法は?

出っ歯を治療する場合、どのような治療法があるのでしょうか?症例ごとにそれぞれ解説します。
骨格性上顎前突(骨格に問題がある出っ歯)の場合
骨格に問題がある出っ歯の場合、小児と成人では治療方法が異なります。
まだ骨格の成長が見込める時期(個人差はあるが小学校中学年頃まで)であれば、顎の成長のコントロールや奥歯の位置の調整でヘッドギアなどを用い、外科手術などはなしで治療できることがあります。
骨格の成長が見込めない時期であれば、状態によっては顎の骨を切るなどの外科的な処置が必要になることがあります。
歯科医師の判断によってはワイヤーとブラケットを用いたワイヤー矯正で治療できることもあるので、まずは歯科医院で相談してみることをおすすめします。
歯槽性上顎前突(歯並びに問題がある出っ歯)の場合
歯並びに問題がある出っ歯の場合、歯列矯正での治療が一般的です。
具体的な方法は、以下の2つです。
- ワイヤー矯正
- マウスピース矯正
ワイヤー矯正
前歯が傾いて出っ歯になってしまっている場合は、ワイヤー矯正を行うのが一般的です。歯の表面や裏側にブラケットと呼ばれる3〜5mmの装置を接着し、そこにワイヤーを通して歯に力をかけることで、歯を移動させたり傾きを調整する方法です。
ブラケットには銀色の金属製のもの以外に、金属製よりは高価なものの目立たない白色や透明のセラミック製やプラスチック製など審美性の高いものもあります。
ワイヤーも白色のものを選ぶことができますので、見た目を気にする方でも手を出しやすくなっています。
マウスピース矯正
症例の程度によってはマウスピースによる矯正が安価なうえ、有効です。
部分矯正のみで済む場合は、様々なマウスピース矯正システムから自分に合ったものを選ぶことができますが、全体矯正が必要な場合はインビザラインというマウスピース矯正を用いることが適しているといえます。
インビザラインの場合は他のマウスピース矯正システムと違い、奥歯まで動かすことができるので中度以上の症例に対応できます。
方法としては、奥歯を後ろに移動させることで全体的に隙間を作り、その隙間を利用して、前歯を後ろに移動させます。
ただし、後ろにずらすことでできる隙間には限界がある為、症例によっては抜歯を行う場合もありますので医師に相談しましょう。
ワイヤー矯正とは違い、マウスピース型矯正は透明の歯と歯茎を覆うマウスピースを使用するので、人目を気にすることなく矯正治療を行うことができます。
また、自分で付け外しができるため、食事や歯磨きの時は外して普段通りに行うことができるため、日常生活での負担がワイヤー矯正より少なく済みます。
出っ歯の矯正治療例
出っ歯の治療例をご紹介します。
以下は、hanaraviのマウスピース矯正で出っ歯を治療した患者様の症例です。
症状 | 上顎前突(出っ歯) |
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費用 | ¥450,000(検査代+処置代+アライナー代+リテーナー代込み) |
期間 | 約8ヶ月 |
年齢 | 21歳 |
性別 | 女性 |
治療内容 | 11番、21番の前突をマウスピースにて舌側傾斜させて改善。 |
リスク | 歯を動かすことによって歯と歯肉との間に隙間ができてしまうことがございます。 こ の場合は歯を削る処置を行い歯同士をより密着させて隙間を無くす処置をとります。 歯を動かすことによって歯根が短くなり、治療後に歯がグラグラしてしまう事が考え られます。 先天的な要因でそのリスクが高い方にはレントゲンによる画像診断を行い ます。 矯正治療中に歯に大きな力が加わると稀に歯の神経が死んでしまうことがござ います。矯正治療によって噛み合わせが変化し、顎関節症になってしまうリスクが考 えられます。 多くの場合は経過観察を行っていく中で自然に治っていきます。 |
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