インビザラインで頭痛が起きる?理由と対処法を解説!

大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。医療現場で予防の重要性や予防に取り組んでもらうことの難しさを痛感。美容という切り口で本質的な予防につなげる入口として、口腔という臓器に興味を持つ。口腔環境が多くの臓器に影響を及ぼし、多くの病気に繋がってしまうというポイントから予防について新聞・テレビ・WEBメディア等で情報を発信している。 https://www.med.oita-u.ac.jp/ https://www.oita-u.ac.jp/
 

矯正中は歯が動く痛みをほとんどの方が感じており、矯正装置の種類や力の掛け方、痛み止めの使用などで痛みを軽減できますが、まれに歯の痛みだけでなく頭痛を伴う方もいます。

インビザラインの矯正治療でも同様に歯の痛みのほかに頭痛を感じることがありますが、矯正治療がきっかけで起こる頭痛の原因は使用する矯正装置ではなく、顎周りの筋肉や精神的ストレスによるものがほとんどです。

インビザラインで頭痛が起こる理由と対処法について解説いたします。

インビザラインで頭痛が起きる?

頭痛にはさまざまな原因がありますが、インビザラインなどの矯正治療や噛み合わせと関係が深い頭痛は、顎周辺の筋肉に負担が掛かって起こる筋緊張性の頭痛で矯正中に使用する装置の種類に関わらず起こる可能性があります。

インビザラインに限らず、矯正治療中に頭痛が起こることはある

矯正中に歯が動く痛みや矯正装置の不快感のために無意識に歯を食いしばることがあり、肩や首、顎周辺の筋肉が緊張して血流が悪くなり、筋緊張性の頭痛や肩こりが起こることがあります。

原因は矯正中の歯の食いしばりによる筋肉の緊張なので、インビザラインなどの矯正の装置によって頭痛が起こるわけではありません。

筋緊張性頭痛はハチマキで頭をきつく縛ったときのように頭全体や後頭部から首にかけて締め付けるような圧迫感のある痛みが特徴です。

頭痛の中で代表的な片頭痛はズキズキとした拍動痛があるのが特徴で、まれに吐き気を伴うほどの強い痛みのため日常生活に支障をきたすことがありますが、筋緊張性頭痛の痛みの程度は軽度から中度であることが多く、矯正治療によって筋緊張性頭痛が出現しても日常生活に支障をきたすことはほとんどありません。

筋緊張性頭痛は矯正していなくても起こることがある

噛み合わせが悪いために咀嚼に関わる筋肉のひとつである側頭筋の過緊張状態が続くことで、その周辺の血行が悪くなり筋緊張性頭痛が起こることがあります。

矯正治療中は歯が動く痛みや矯正装置の不快感で食いしばり、筋肉が緊張して筋緊張性頭痛を引き起こすことがありますが、矯正をしていなくても歯並びや噛み合わせが悪いと食べ物を噛み砕くときに噛みやすいところだけで噛む、就寝中に歯ぎしりや食いしばりをしているときに噛む力が歯全体に分散されないか、歯が引っ掛かってスムーズに動かせないことなどにより筋肉に過度な負担が掛かり、筋緊張性頭痛を引き起こすことがあります。

また、体重の約10%ある人間の頭は頚椎と噛み合わせにも関係する顎周辺の筋肉が支えており、噛み合わせが悪いことで筋肉のバランスが崩れると頚椎の歪みが生じ、全身の骨や筋肉のバランスにも波及して頭痛だけでなく肩こりの原因となることもあります。

噛み合わせが悪い人は矯正治療により頭痛が改善することがある

頭痛の原因はさまざまありますが、噛み合わせが原因で筋緊張性頭痛を引き起こしている場合は、インビザラインなどで歯並びを整えると噛み合わせが改善されるため、歯列全体でバランス良く噛めるようになり顎周りの筋肉の緊張が解けて頭痛が改善する可能性があります。

インビザラインで頭痛が起こりやすい5つのタイミング

インビザライン治療中に頭痛が起こりやすいのは、主にゴム掛けやマウスピースの装着交換などで歯を動かす力が新しく加わるときです。

歯の痛みはストレスとなり食いしばりや首や肩の筋肉の緊張状態を作り出すので、頭痛が起こる可能性があります。

1.ゴム掛けをしたとき

歯や顎の位置、噛み合わせなどを正しい位置に導くために、小さな輪ゴム(顎間ゴム)を上下顎にまたがるように掛ける「ゴム掛け」を行うことがあります。

歯の根元に矯正力が加わり無意識に食いしばるため、痛みを感じやすいタイミングです。

2.マウスピースの装着・交換のとき

インビザラインはマウスピース(アライナー)を1〜2週間に1回交換して歯を動かします。1回に歯を動かす量は最大0.25mm程度ですが、新しく歯が動くのでマウスピースを初めて装着したときや新しいマウスピースに交換したばかりのときは、歯の痛みが生じて食いしばりやすくなるため頭痛を引き起こすことがあります。

3.朝起きたとき

夜寝ている間は歯ぎしりや食いしばりが起こりやすいため、顎周辺の筋肉が緊張状態になりやすく頭痛を引き起こしやすいです。

歯ぎしりや食いしばりが無くても、矯正治療中は歯を固定されることで常に肩や顎がこわばって力が入りやすいため頭痛が起こりやすいです。

4.硬いものを食べたとき

硬い食べ物は噛んだときに歯に伝わる力が強いです。矯正治療中は根が不安定な状態なので、噛む力が刺激となって歯や頭が痛むことがあるため注意が必要です。

5.精神的ストレスが大きいとき

痛みは心の状態とも大きく関係があり、精神的ストレスが大きくなると交感神経と副交感神経のバランスが乱れて痛みを感じるハードルが低くなり、少しの刺激でも痛みを感じやすくなるので頭痛を起こす可能性があります。

特に矯正治療中は口の中にマウスピースが入っている違和感や歯が動く痛みなどで精神的ストレスが大きくなりやすいため、無意識に食いしばる、就寝中に歯ぎしりをするなどして頭痛が起こる身体の状態になりやすいです。

インビザラインによる頭痛の予防と対処法

矯正治療中の頭痛がすべて歯が動く痛みによる筋肉の緊張から起こるものではありませんが、顎や肩周りの筋肉をほぐして精神的にもリラックスする習慣を付けると良いでしょう。

また、矯正治療は長期に渡るため頭痛を我慢しすぎると治療へのモチベーションが下がり、治療の継続が難しくなることがあります。

痛みを感じたら無理せずに、痛み止めを飲むか歯科医師に相談することも大切です。

筋肉の緊張をほぐす習慣を付ける

肩や首、顎周りの筋肉が凝ると血流が悪くなり筋緊張性頭痛の原因になるため、肩や首のストレッチをする、マッサージや整体に行く、入浴はシャワーだけでなくお風呂に浸かって身体を温めるなど、筋肉の緊張をほぐす習慣を付けると良いでしょう。

また、十分な睡眠時間の確保と散歩などの軽い運動を行うなどしてリフレッシュし、ストレスを解消するのもおすすめです。

痛み止めを飲む

マウスピースを交換したばかりのころは歯が動く痛みが出ますが、痛みは36時間後までがピークで徐々に落ち着いてきます。

歯の痛みがあると無意識に食いしばってしまい頭痛が起こることがありますが、我慢できないときは歯科医院で処方してもらったものか薬局で購入した市販の痛み止めを服用しましょう。

ただし、痛み止めを飲むと頭痛は軽減しますが、飲み過ぎると食欲不振や腹痛、頭痛の悪化やアレルギー症状の発現などの副作用が起こる危険があります。

決められた量と服用回数を厳守し、それでも痛みが続くようなら歯科医師に相談しましょう。

歯科医師に相談する

痛みの感じ方は体調やストレスにも左右されます。インビザラインはワイヤー矯正と比べて歯を動かす力が少なく、歯列全体に力が掛かるように設計されているため痛みを感じにくい装置ですが、痛みが強く頭痛がするような場合は歯科医師に相談しましょう。

歯科医師の治療方針や考え方により異なりますが、場合によってはマウスピースを交換するペースを落としたり、治療計画を変更したりすることがあります。

大事なことは自己判断でマウスピースの装着時間を短くしたり中止をしないこと。マウスピースの装着時間が短くなると矯正期間が長くなるばかりか、うまく歯並びが整わない可能性があります。
必ず担当の歯科医師に相談しましょう。

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