株式会社DRIPS(本社:東京都渋谷区、代表取締役:各務)は、日本の歯科矯正市場規模や成長性に関するリサーチを発表しました。
調査結果発表の経緯
過去、オーラルケアの市場規模は4,344億円程度※1であるとされている推計はある。それに対し歯科矯正に関する市場規模に関するデータはなかった。
今回、歯科矯正に関しての市場規模や成長性に関するデータを発表することで、より多くの方に魅力ある市場として関心を持って頂くことで市場が拡大し、その結果として患者様の利益に繋がればと思い、ベンチマークとなる参考データを発表いたします。
※1富士経済「オーラルケア関連市場マーケティング総覧 2019」
年間の推定市場規模は3,000億円
厚生労働省の患者調査※2によると、歯科矯正における1日の初診の患者は800名。年間に換算すると初診の患者数は約292,000名にのぼります。
歯科矯正は治療方法や期間、施術を受けるクリニックによって価格が変わりますが、約100万円が一般的な価格とされています※3。
よって、年間の患者数と価格で算出した市場規模は約3,000億円と想定されます。
こちらの市場規模に関して、厚労省の患者調査に沿った結果ではあるものの、1日800名を47都道府県で割った場合に1都道府県の1日あたりの新規患者は約17名となります。その結果から、こちらの推計は過少に見積もられている可能性があるため、あくまでも参考値としていただけるのが良いかと思われます。
オーラルケアの市場規模と比べて
オーラルケア関連の市場も伸びていることが予想されますが、歯科矯正は単体でオーラルケア関連の市場規模に迫る勢いともいえます。
また、歯磨きの約3倍、洗口剤の約10倍の市場規模となっており、いかに市場規模として大きいかが再確認できます。
※2厚生労働省患者調査平成29年
※3歯科矯正の価格(DRIPS調べ https://www.hanaravi.jp/blog/kyousei-kikan/)
今後の市場成長について
世界の歯科矯正市場の成長はは2030年までに、平均成長率(CAGR)10.8%で推移するとされています※4。
日本の歯科矯正市場の成長率については、市場規模と同じくも明確な情報は発表されていません。しかしながら、上記推計に用いた、日本の1日の矯正の初診患者800名/日というデータは、直近我々が感じている市況感とくらべるといささか少ない数字といえます。
日本においては、元々オーラルケアに関する関心が低く、市場の拡大については、すでにオーラルケアや歯科矯正が一般的な海外に比べポテンシャルがあるといえます。近年のライフスタイルの欧米化かや、さらにInstagram、TiktokといったSNSで海外との垣根が低くなることで、歯に対する興味が向上しています。ました。市場の拡大については、すでに歯科矯正が一般的な海外に比べポテンシャルがあるといえます。
予防の領域への拡大
厚生労働省の患者調査のデータによると、虫歯の減少により歯科医院の推計患者数は2017年から減少し続けており、日本の歯科医院の経営戦略として、治療ニーズの変化に合わせた提供サービスの見直しが求められています。
そこで歯科業界で力を入れ始めているのが、予防医療と自費診療です。2020年から歯周病重症化予防治療も新たに保険適用となるなど、予防歯科の普及に向けた取り組みが歯科業界全体で進められています。また、審美歯科、矯正等の自費診療においては医業収益に占める割合は保険診療より自費診療(その他の診療収益)のほうが寄与率は高くなっています。
日本においても、今後人生100年時代を迎えるにあたり「人生の健康寿命を伸ばす」といった観点で、予防医療・未病としての歯科診療ニーズも高まっていくと考えられます。
※4:2022年03月にREPORTOCEANが発行した新しいレポートによる