部分矯正で対応できる症例は?治療方法の種類や失敗しないコツも紹介

大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。医療現場で予防の重要性や予防に取り組んでもらうことの難しさを痛感。美容という切り口で本質的な予防につなげる入口として、口腔という臓器に興味を持つ。口腔環境が多くの臓器に影響を及ぼし、多くの病気に繋がってしまうというポイントから予防について新聞・テレビ・WEBメディア等で情報を発信している。
 

部分矯正とは、歯の一部分だけを矯正する治療方法のことを言い、『MTM(Minor Tooth Movement)』や『プチ矯正』と呼ばれることもあります。

この記事では、自分に合った矯正方法を探している方に向けて、部分矯正の概要や治療法、リスクを防ぐ方法についてまとめました。

1.部分矯正とは?どんな場合に適している?

hanaravi 部分矯正 メリットデメリット

歯科矯正には、歯全体を矯正する全体矯正(全顎矯正)と、一部の歯のみを矯正する部分矯正があります。

部分矯正は「1本だけ飛び出ている前歯をどうにかしたい」「下の前歯がガタガタなのできれいに並べたい」といった悩みに適しています。

(1)部分矯正のメリット

部分矯正には、以下の3つのメリットがあります。

  • 違和感が少ない
  • 治療期間が短い
  • 費用が安い

部分矯正の大きなメリットは、何と言っても手軽さです。

部分矯正は一部分に装置をつけて歯をきれいに並べる治療方法なので、費用や期間などの面で全体矯正に比べ圧倒的に手軽になります

(2)部分矯正のデメリット

手軽で始めやすいというメリットがある一方で、部分矯正には以下のデメリットもあります。

  • 複雑な症例には対応できない
  • 咬み合わせの改善は難しい

部分矯正は気になる場所を部分的にきれいにする治療方法なので、複雑な症例には適応できないケースが大半です。

また、きれいに歯を並べることが目的とされているため、機能的な咬み合わせの改善は難しい場合が多いとされています。

(3)部分矯正で対応できる症例・できない症例

部分矯正は、基本的に症状の軽い矯正に対応しています。たとえば、出っ歯やすきっ歯、歯並びを整える矯正に有効です。

一方で、上記の症例でも骨格から矯正しないといけないような矯正には適さない場合があります。

【対応できる症例の例】

  • すきっ歯
  • ガタガタの歯並びの矯正
  • 軽度の出っ歯
  • 軽度の八重歯

【対応できない症例の例】

  • 骨格から矯正が必要となるケース
  • 歯を動かす隙間を作る必要がある場合
  • 噛み合わせが悪い場合
  • 犬歯よりも奥の歯を矯正したい場合

例えば、出っ歯の矯正で前に出た歯を奥に収めるスペースがない場合、他の歯を動かして歯を収めるスペースを作る必要があります。このような場合は部分矯正ではなく、全体矯正を行う必要があります。

そのほか骨格自体に原因がある場合は外科手術が必要となるため、部分矯正を行うことはできません。

(4)部分矯正に適している人は?

骨格や咬み合わせの解決を目的とした矯正は難しい部分矯正ですが、手軽に見た目を整えたい方にはおすすめの矯正方法です。以下に、部分矯正が適している人をまとめました。

  • 見た目を美しくしたい人
  • 矯正の範囲が狭い人
  • 費用を抑えたい人

2.部分矯正の治療方法3つ

一部分だけを矯正する部分矯正には、以下の治療方法があります。

  1. マウスピース矯正
  2. ワイヤー矯正
  3. セラミック矯正

それぞれ詳しく解説するので、ぜひお役立てください。

(1)マウスピース矯正

部分矯正 マウスピース矯正

マウスピース矯正は、歯型を取って製作した『マウスピース』を用いて矯正する方法です。

医師と相談のうえ、矯正後の歯並びをシミュレーションし、形の異なるマウスピースを製作します。

できあがったマウスピースは1日20時間以上装着し、1~2週間ごとに噛み合わせの状態を確認。そして、場合によっては新しいマウスピースを製作しながら歯並びをきれいにしていきます。

マウスピース矯正に適している人

マウスピース矯正は金属を使わない矯正方法なので、今まで金属アレルギーで矯正治療を諦めていた方もチャレンジできる矯正方法です。

その他、透明で取り外しが可能なため、楽器の演奏やスポーツをされる方にも好まれています。ワイヤー矯正では、強い力で矯正を行っているため強い痛みを感じた方も、マウスピース矯正なら痛みを抑えて治療が可能なためです。

治療期間

自分で取り外しができるマウスピース矯正ですが、効果は装着時間によって異なります。装着時間は、なるべく20時間以上を目安としてください。

1日20時間以上装着していた場合の治療期間は、1ヶ月~1年程度です。

治療費用

症例により治療費用は異なりますが、10万円~60万円程度が相場だと言われています。

マウスピース矯正『hanaravi(ハナラビ)』では、矯正専門の歯科医師が1人ひとりの予算に合わせて、精密なプランを作成します

そのため、矯正開始後に追加料金がかかって結果的に予算以上になるというリスクを抑えます。

また、LINEでの相談も可能なためクリニックに来院するのが最低1回で済むため気軽に矯正を始めることができます。

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(2)ワイヤー矯正

部分矯正 ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、ワイヤーを用いて矯正する方法で、ブラケットと呼ばれる金属でワイヤーを固定し、歯並びをきれいにします

一定期間が経過するとワイヤーとブラケットの治療が完了し、保定装置に切り替わります。保定装置は『リテーナー』とも呼ばれ、動いた歯を元の位置に戻らないために使用する道具です。

ワイヤー矯正といえば、昔は前面にワイヤーを通す方法しかなかったため、見た目が気になってチャレンジできなかった方も多いでしょう。

しかしながら今では、症例によって歯の裏側にワイヤーを通す方法も選択できるようになっています。見た目を気にせず、手軽にチャレンジできるようになりました。

ワイヤー矯正に適している人

ワイヤー矯正は、マウスピース矯正だけだと治療期間が長くなる人に向いています。また、マウスピース矯正では治療できない症例も対応しているため、治療が難しい歯並びの矯正にチャレンジしたい方におすすめです。

治療期間

治療期間は人によって異なりますが、1年~3年程度です。

治療費用

症例により治療費用は異なりますが、たとえば上の前歯のみだと30万円〜110万円程度だと言われています。

hanaravi(ハナラビ)では、マウスピース矯正だけではなく、ワイヤー矯正とマウスピース矯正を組み合わせることで、ワイヤーを着ける期間を短く終わらせることができるハイブリッドプランを提供しています

従来のマウスピース矯正よりも幅広い症例に対応し、ワイヤー矯正よりもリーズナブルな価格で矯正を始めることができます。

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(3)セラミック矯正

Eライン セラミック

セラミック矯正は、歯を動かさずに矯正する方法です。前歯を複数本削り、上から被せ物をすることで見た目をきれいにします。

必要に応じて歯の神経を取る治療をおこない、削って型をとります。歯ができたらセラミックを被せて終了です。

適している人

セラミック矯正は治療期間が短いというメリットがある一方で、虫歯になっていない歯を削るというデメリットがあります。歯並びが悪いとより大きく削る必要があるため、場合によっては歯の寿命を縮める可能性もあります。

しかしながら、他の矯正方法より各段に治療期間が短いので、結婚式や成人式などイベントまで時間がない方におすすめです。

治療期間

治療期間は人によって異なりますが、2ヶ月~3ヶ月程度です。

治療費用

材質によっても異なりますが、1本あたり4万円~15万円程度だと言われています。

3.部分矯正で失敗しないためには

部分矯正を調べると、ネットでは「うまくいかなかった」という体験談をしばしば目にします。

特に、以下のような失敗例が代表的です。

  • 治療費用がどんどん高額になってしまう
  • 思ったより矯正効果がなかった

(1)治療費用が明確な歯科医院で受診する

部分矯正を失敗しないためには、治療費用が明確な歯科医院を受診しましょう

矯正治療において、追加費用が請求されることはよく耳にするケースです。最初の見積から治療費用がどんどん高額になり「気が付いたらすごく高い費用を払っていた…」ということも間々あります。

予定よりも大幅な追加費用を払わないために、治療完了までの見積りを最初に提示してくれる歯科医院を選ぶことが重要です。追加費用が発生しないことを約束している歯科医院だと、さらに安心して受診できるでしょう。

(2)歯科医師の指示にしっかり従う

矯正治療の効果を高めるために、治療中は歯科医師の指示にしっかり従いましょう

自分の管理が必須となるマウスピース矯正の場合は、特に注意が必要です。

「思ったより矯正効果がなかった…」という場合は、医師から説明を受けたルールを守っていない場合がほとんどです。

矯正は時間が必要なので億劫になることもありますが、決められたルールはしっかり守りましょう。

1日20時間以上装着する、リテーナーをしっかり使用するのような決められたルールを守ることで、矯正の効果を高めて後戻りを防ぐことができます。

また、歯科医師の中にも種類があり、矯正専門ではない歯科医師が担当することで失敗するリスクが高くなる場合があります

事前に担当する歯科医師は、大学で矯正を専門として勉強していたかどうかをクリニックのサイトなどで確認しましょう。

hanaravi(ハナラビ)では、大学で矯正を専門を学んだ経験豊富な歯科医師が矯正を担当するため、余計な歯を抜歯する・間違った矯正プランを提供するなどの失敗するリスクを抑え、安心して矯正を始めることができます

(3)自分に適した矯正方法を選択する

矯正を成功させるためには、自分に適した矯正方法を選択することが重要です。部分矯正だけでは難しい症例もあるので、場合によっては全体矯正も視野に入れましょう。

全体矯正に適応しているお口で、無理やり部分矯正をおこなってしまうと、費用や時間を無駄にしてしまいます。それどころか、不必要な抜歯や噛み合わせにつながる可能性もあるのです。

また、不必要な抜歯は矯正への理解不足が原因でもあります。気になることは、すぐ医師に相談しましょう。

もちろん、抜歯が必要なケースもあります。医師から抜歯の説明があった場合は、納得いくまで医師と相談し、矯正後のイメージを共有しましょう。

4.歯科矯正に関するご相談はhanaravi(ハナラビ)

hanaravi4つのポイント

部分矯正は出っ歯やすきっ歯に対応しており、昔よりも手軽に矯正にチャレンジできるようになりました。

しかしながら、しっかりと自分に合った矯正方法を見極められないと、時間や費用がかかり、咬み合わせが崩れてしまうこともあります。

hanaravi(ハナラビ)であれば、豊富な知識と経験のある歯科医師の元、納得いくまで相談して矯正方法を選択ができる体制が整っています

また、最初に明朗な見積を提示するため、追加費用の発生もなく、安心して治療を受けることが可能です。

たくさんの選択肢のなかからその人に合った治療方法も提案できるので、この機会に相談をしてみてはいかがでしょうか?

監修歯科医師のご紹介
セレスタ麻里子(歯科矯正医師)

セレスタ麻里子
(矯正専門歯科医師 渋谷F&B矯正歯科・東京

神奈川歯科大学歯学部卒。神奈川歯科大学歯学部歯科矯正学講座。日本矯正歯科学会。歯科矯正で15年のキャリアを持ち、ワイヤー矯正(表・裏)だけでなく、マウスピース矯正も専門とする。

監修歯科医師のご紹介
各務康貴(歯科矯正医)

各務 康貴(医師)

大分大学医学部卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事。若年層に予防や多くの臓器にアプローチするため口腔環境に興味を持ち、マウスピース矯正hanaraviを手掛ける株式会社DRIPS創業。